本分科会では、「同志社大学ビジョン2025」で掲げた「学びのかたちの新展開」の取組として、ラーニング・コモンズ(以下、LC)と新島塾についてそれぞれ発表された。
はじめに、廣安知之学習支援・教育開発センター所長と澤宏司准教授から、同志社大学のLCについて紹介があった。
今出川校地良心館LCは、アクティブラーニングの注目に伴い、授業外で学生同士が学習できる場所の確保が、大学の魅力向上に直結するとの考えから、2013年という早い段階で開設された。開設以来、グループワークや座談会等、施設の特色をいかして充実した学習活動が行われており、その実績に基づき、2018年に京田辺校地にラーネッド記念図書館LCを開設したとの説明があった。両施設共に、図書館から独立して学習支援・教育開発センターが運営していることを特色として挙げ、本学の教育理念の一つである「自由主義」を実践する学生を後押しする施設であるとの説明があった。
ラーネッド記念図書館LCの現状として、運営体制、設置機器、各エリアの特色といった概要に加え、平日ピーク時にはしばしば満席となること、設備を活用して自主学習を行う学生の様子、本学大学院生で構成されるラーニング・アシスタント(LA)が学習相談に主体的に取組んでいる様子など、活発に利用されていることが紹介された。今後、学習相談利用や主催セミナーを増やしたいこと、京田辺校地設置学部やプロジェクト型学習科目と連携した取組を実施するなど、京田辺校地の特色を出していきたいことが述べられた。
続いて、稲岡恭二高等研究教育院所長から、新島塾の取組について紹介があった。高等研究教育院は、大学院教育充実の進展の母体であるという案内に続き、新島塾の概要説明があった。
その後、塾の設置に至った経過について紹介があった。2016年度から始まった新島塾構想は、2018年度に試行プログラムを実施し、第0期生参加者から寄せられた声を元に「低学年から勉学姿勢に多くの気付きを与えるものである。」との想いを新たに、2019年度から17名の塾生を迎えて第一期プログラムとしてスタートを切っている。
最後に、「同志社大学ビジョン2025」との関係について説明がなされた。
大学院教育課程はともすれば、学部、修士、博士課程と進学するにつれ、先の尖った三角形型とも、また縦軸に深化した専門特化型と言われることもある。しかし、同志社大学としては、新島塾をはじめとするビジョン2025に掲げる各取組によって、柔軟な発想と豊富な知識を運用できる総合知を獲得した、横軸にも拡がりを持った博士課程学生の輩出を行いたい。学年進行とともにその能力がいわば逆三角形になるよう変革を行いたいというメッセージをもって、分科会は終了した。
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