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第6分科会 【国際学院】

テーマ PYP(IB The Primary Years Programme)の集大成Exhibition
〜児童主体のプロジェクト〜
発表内容 同志社国際学院におけるPYP Exhibitionの実践例を紹介
発表者 ロハス 亜紀教頭 荒谷 達彦教諭 増田 周平教諭 Robert Kent Stumbles教諭

発表概要

 同志社国際学院初等部のカリキュラムの特色として、同志社としてのアイデンティティーの他に日英バイリンガル教育と国際バカロレア(IB)の初等教育プログラム(PYP)の枠組みに沿った探究型学習の2つがある。一条校として学習指導要領に基づきながら、この2つの特色を授業運営で実践している。今回の発表では、PYPの集大成であるPYP Exhibitionが紹介された。

 PYP Exhibitionとは大学でいう卒業論文にあたるもので、昨年度は児童の情熱と才能を活かして社会に貢献することをテーマとした個人研究のことである。テーマの決定から情報収集、発表まで全て児童主体で行っていく。その過程において保護者や担任教員、メンター教員が児童の学びをサポートしていく。

 まず、PYPの特徴として、チャレンジに満ちたものであること、国際的な視野を持ち世界の複雑さを理解する、学校での学びだけで終わるのではなく、未来に向けてどのようなアプローチをしていくか、そして、児童主体の探究型学習等が挙げられる。つまり、児童は、答えが出ればそれで終わりではなく、たどり着いた答えをさらに自分で深めていき、応用して次の学びにつなげていく。例えば、ある1つの事実が見えたときに、なぜそうなのか、自分はそれに対してどう考えるのか、他の事象とどう関連しているのかといったようにどんどん掘り下げて自分で考えていくことを目指す。

 このような探究型学習は「Key Concept」と呼ばれる概念に沿って進められていく。本発表では、探究型学習におけるKey Conceptを理解してもらうためにネイティブ教員によるActivityが行われた。あるトピックに対して実際にそれぞれのKey Conceptの内容を考えてもらうことで、児童が普段どのように探究型学習を行っているかを体験してもらった。

 児童はこのようなPYPの探究型学習を基盤としながら、集大成として6年生でPYP Exhibitionに取り組むことになる。児童は自分の情熱と才能を活かすことができるトピックを探し、さらにそれをどう社会に貢献できるかを考えていく。発表は日英両言語で行われ、小学校6年生とは思えないようなレベルの高い内容の発表が毎年行われている。今回はある児童のPYP Exhibition への取り組みの様子が動画で紹介された。また、PYP ExhibitionにはRubricと呼ばれる評価基準が設定されており、しっかりとKey Conceptに沿った問い立てができているか、英語と日本語の両方の言語が適切に使用されているか、探究に結びつくアクションに取り組むことができたかといった内容が設定されている。

第6分科会 【国際学院】

質疑応答

Q.探究型で学びが深くなると言語能力による学びのギャップが出ないか。

A.教員から個々のレベルにあった英文の本や英語のウェブサイト等を指定したり、メンター教員が児童にヒントを与えたりすることで言語能力による学びのギャップが出ないようにサポートしている。

Q.PYP Exhibitionを5年間実施して子どもたちに変化はあった?

A.6年生の発表を他の学年の児童や保護者の方が見に来ることで、早い段階からトピックに対する問いの立て方(Key Concept)を考えるようになり、6年生になる前からExhibitionに対する意識や期待のまなざしを持つようになってきている。

Q.教員の研修はある?

A.PYPの知識を持つ教員が他の教員やメンター教員へ指導を行っている。また、児童の質問内容を見て、PYPの質問なのか、英語力の問題なのか、単に大人の人からのアドバイスが欲しいのかといったこと確認した上で、それぞれ対応できる教員を分担している。

Q.発表テーマがおもしろいものが多いが、選択させる際に何か工夫している?

A.本当にそのテーマに興味があるか、本当に情報収集から発表まで情熱を持って取り組むことができるかを自問自答させている。

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