同志社の一貫教育

学校法人同志社 HOME > 同志社の一貫教育 > 同志社研修・交流会 > 第4分科会 【同志社国際中学校・高等学校】

第4分科会 【同志社国際中学校・高等学校】

テーマ 「食文化と通して世界を旅しよう」〜人生を豊かにする学びを目指して
発表内容 「食と文化」実践報告 (高校3年生 選択科目)
発表者 吉田 恵都子教諭

発表概要

○1学期は、生徒に世界の食文化をリサーチして新聞を作成させる。

(1)新聞の紹介:
  • イタリアの食文化新聞では、トマトはグルタミン酸があり(こんぶ、かつおにも含まれる)旨味成分がある。北部では、乳製品、中部はいろんな料理、南部は、オリーブが中心。地理的条件により発達した料理が異なる。
  • 中国は、マナーについて新聞を作成した。残さず食べると足りなかったとなる。テーブルは汚いほうがいい。西洋のマナーは、古代ローマ時代からあった。世界三代料理のフランス、中国、トルコ。フランスのアンリ2世に嫁いだカトリーヌ妃が、イタリアから料理人を呼び、フランス料理が発展した。
  • ベルギーは、ワッフルがどうやって発展したか?ワッフルのコーンがいつからできたか?それは万博で入れ物が無くなったため。チョコレートの原料であるカカオはメキシコ原産なのになぜヨーロッパに普及したか?レディゴディバが、馬に裸で乗って町中をまわり、重税を回避したことから、国民に対する愛情を「思い」をチョコレートに注ぎたいと思い、ゴディバのマークとなる。
  • ベトナムは、中国支配、フランス支配により食文化が融合する。
  • シンガポールは、食文化リサーチができるのか不安であった。スパイス戦争時代にラッフルズが紅茶に目をつけた所から、自由貿易港として発展する。
  • トルコは、トルコに住んでいた生徒の情報も盛り込めた。
(2)動機付け:
  • リサーチして新聞を書くまでに生徒へどのような動機付けをしたか。さまざまな国の写真を見せ、食が文化と関係があることを示す。
  • 私が、オランダに行って病んでいた時、ベルギーに行って復活した。それは美味しい料理があったから。食は体だけでなく、心作る。
  • 綿花油は、日本人には消化できないが、海草を消化する酵素は持っている。この写真はウグペキスタン、シルクロードに面している国。月収2万円。電気やガス、水などは、大統領の判断で不定期に滞る。
  • 生徒には、@振返りシートを書かせ、毎回コメントに返事をする。どうして?どこがちがう?かヒントを返事として書く。A本も紹介する。
(3)和食の文化:
  • 実習1(手打ちうどん、天ぷら、わらびもち)
  • 実習2(ちらし寿司、浅漬け、お吸い物、みたらし団子)。
○夏休みに試作を行う。
  • 2学期に実施する実習を班で集まり、試作する。買い物から決算報告まで、報告書を提出する。チュロススは星型じゃないと爆発する。玉ねぎを肉にまぶしておいておくとやわらかくなる、均等な大きさに切らないと火のとおりが一律にならないなど、試作から学びを深める。
○2・3学期は、調理実習を行う。
  • レシピを書かせて、赤入れて、完成へと持っていき実習に入る。
  • 調理のポイントや時間計画表作成。(一人ずつの動作すべて記載)
  • PDCAサイクルで進める。
  • 実習当日はリーダー班が皆をリードしていく。そうする事で、バックキャスティング思考が働き、理想に近づくための工夫や努力が引き出せる。
○人生を豊かにする学びを目指して
  • 料理するメリットには@経済メリットA体を綺麗にする(ケーキの砂糖、バターの使用量にびっくりする)B前頭前野の活性化。(情緒、抑制力に効果がある)C自尊心、自信がつく。D集中力、判断力がつく。Eマインドフルネス効果がある。
  • 料理を通して、今まで習った世界史や地理、化学などの知識と結びつく瞬間がある。この先も食文化を通して、学びの幅が広がって欲しい。
  • 共に料理し、共に食事をすることで、「食文化は人と人をつなぐ」ことを授業を通して伝えたい。今後の人生においても実践してもらえたら嬉しい。

ご清聴ありがとうございました。

第4分科会 【同志社国際中学校・高等学校】
ページの先頭へ