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第7分科会 【女子大学】

テーマ 薬学教育における技能と態度領域の学習
― 薬学部実習科目における取り組み ―
発表内容 (授業実践)
発表者 薬学部 川村 暢幸 特別任用助教

発表概要

 薬剤師国家試験が測定できるのは、薬剤師に必要な「知識」の領域であり、これからの薬剤師に必要な「技能」と「態度」の涵養については、薬学部教育に委ねられている。6年制課程となった薬学部教育に社会が期待している点は、知識の獲得は言うまでもなく、国家試験では測ることが困難な、急速に進歩する医療現場における薬剤師としての高度な技能の育成と、倫理面を含む命と向き合う薬剤師の真摯な態度の醸成である。このような社会的要請を踏まえ、同志社女子大学薬学部においてどのようにして社会が期待する「技能と態度」を獲得させているかについて、実習科目における実践を通して紹介がなされた。

 2年次科目「生化学実習」では、アルコール代謝に関与する本人の遺伝子を学生一人ひとりが細胞を採取して遺伝子型を調べるという実習を通して、遺伝子や薬物代謝酵素などの生命現象の基礎を理解させるとともに、自ら実験記録を作成することによって科学的態度の基礎を身に付けられるように指導していることが紹介された。さらには、もし扱う遺伝情報が癌に関するものであったら個人情報としてどのように取り扱うべきかについても考えさせていること、4年次の学生にもこれらの点について2年次生にプレゼンテーション等により説明させて相互に学習効果を上げていることなどについて報告がなされた。

 1年次科目「早期体験実習T」では、実際にマウスの解剖に立ち会うことで、科学の進歩が動物の命の犠牲の上に成り立っていることを実感させるとともに、動物実験に関する法令や指針を真剣に学ばせることにより、当初解剖実習に懐疑的であった学生からも実習後には生命倫理や薬剤師の責任などについてのポジティブな反応が多かったことなどが紹介された。

 同志社女子大学薬学部では、このように早い段階から具体的な実習を通して学生の学習モチベーションを高めるとともに、薬剤師としての技能や態度を身に付けさせる教育を行っており、5年次の計22週間にわたる病院や薬局での実習などを含め、6年間を通した教育で社会的要請に応えている。

第6分科会 【国際学院 初等部】

質疑応答

Q.4年次生を2年次生の授業で活用しているということであるが、それによって4年次生自身も成績評価されているか。

A.特定の教科の評価とは関係ないが、2年次生への指導を通してその4年次生の得意・不得意分野等がよく分かるので、4年次生へのその後の指導の参考になっている。

Q.薬学部では国家試験対策はどのようにしているか。

A.国家試験を想定したまとめの授業科目の他、課外での対策講座も実施している。今後さらに力を入れて行く。

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