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第3分科会 【女子中学校・高等学校】

テーマ Spring English Camp 〜視野を広げ、物事を多角的に見る力を求めて〜
発表内容 英語漬けの環境を通じて、生徒の視野を広げるきっかけをつくる研修の取組み
発表者 吉永 真教諭

発表概要

  1. はじめに
     女子中高では新たな取り組みとして、中学1年生の希望者を対象として、2泊3日を英語漬けの環境で過ごすSpring English Campを2017年度より実施している。手段としての英語を活用し、異文化交流などを通じて、視野を広げ、物事を多角的に見るきっかけにして欲しいとの思いで企画した。

  2. 研修実施に至るまで
     研修内容の検討にあたり、中学1年生の授業における既習事項をベースとして、学校授業との繋がりを感じながら発展的な内容とすることを意識した。また、英語を学ぶだけではなく、講師陣との交流によって、異なる英語(多様な発音・表現方法)・異なる文化に触れる異文化交流の要素も取り入れることにした。上記踏まえ、講師を派遣する運営業者と情報を共有し、共同で研修カリキュラム作成を進めた。
     生徒に対しては、3月の研修実施へ向けて10月から募集要項配布や説明会を行い、11月に募集の締め切りを行った。なお、初めての企画であることも踏まえ、生徒に対して研修目的を以下のように明確に打ち出した。1点目は「英語でのコミュニケーションを取ることの楽しさを実感する」、2点目は「異文化への理解、関心を高め、英語学習の意義を理解する」、3点目は「“英語漬け”の生活環境を経験し、英語での発信力を身につける」である。こうした説明を聞いた上で、最終的に応募した28名全員の参加が決定した。

  3. 研修講師
     3名の講師については、幅広い異文化交流を進める為、出身国などのバックグラウンドが異なるように手配した(ジャマイカ、フィリピン、オーストラリア)。なお、3名とも日本の幼稚園から企業に至るまで、幅広い年齢層への指導をするなど豊富な経験を積んでいた。

  4. カリキュラム
     3日間の研修で、スピーキング、異文化理解(講師の出身国紹介)、リスニング&発音トレーニング、ロールプレイの授業等を実施し、最終的にグループでの発表を行った。また、アウトドアでのアクティビティやゲーム・クイズなどを行うFun Time・Fun Night、異文化交流パーティーなど、生徒の気分転換となる時間も設けた。いずれの時間においても、英語でたくさんの会話をするカリキュラムになるよう工夫した。

  5. 実際の授業内容等の紹介(動画と共に)
    (1)スピーキングなどの基本的な授業
    1クラスを10名までの少人数の設定とし、きめ細やかな対応ができるよう環境を整えた。その上で常に生徒の発言を促すようにし、参加型の授業を展開した。授業の中で、生徒にとって知らないことや分からないことが出て来る場面もあったが、「I have no idea.」などの表現方法を教えておくことで、どのような状況でも自分の思いを表現させるようにした。
    (2)異文化交流の授業
    講師からの説明がメインとなる授業であるが、受け身にならないように努めた。例えば、「私の国の首都はマニラですが、日本の首都はどこですか?」のように生徒へ質問を投げかけ、英語による発言を促した。また異文化をより理解できるように視覚的な教材を取り入れるなど工夫した。
    (3)アウトドアアクティビティなど
    具体的には「だるまさんが転んだ」や「風船リレー」などをルール説明も含めて英語で実施した。教室での授業とは違い、身体を動かすことで気分転換としても機能していた。Fun TimeやFun Nightなどで実施したクイズは、難易度やカテゴリー別に設問があり、チーム対抗で得点を競いながら、自然に協力することができて大変盛り上がった。
    (4)食事の時間
    授業から離れた場面ではあるが、講師と一緒に食事を取るようにした。講師が食事ごとにローテーションすることで、3人の講師それぞれと団らんできる時間となった。
    (5)グループ発表
    カリキュラムの最後に、各グループで「研修で学んだこと」、「講師の先生の紹介(出身国)」、「日本文化の紹介」の中からテーマを選択し、研修の集大成として発表を行った。この研修で学んだ様々な英語表現を使いながら、個性豊かに発表が行われた。
    (6)講師講評・修了証授与
    研修最後に講師から全体へ講評をし、その後クラスで円になって生徒一人ひとりにコメントを伝えた上で修了証を渡した。このことにより生徒各自へのフィードバックを行った。

  6. アンケート結果
     研修目的などが独り歩きせずにきちんと実感できたかを把握し、また今後の研修の発展を図る為、研修後に生徒へのアンケート(5段階評価とコメント)を実施した。
    結果は、研修内容に対しては、全員が「良い」以上の回答で、68%が「とても良い」であった。授業内容についても全員が「良い」以上の回答であったが、授業の難易度は「ちょうど良い」が61%であるものの、「難しい」が32%になるなど回答にバラツキが見られた。英語が得意な生徒ばかりではなく、様々な目的を持って多様な生徒が参加していることを反映している。そして、研修の3つの目的を実感できたかのアンケートについては、全員が「普通」以上の回答であり、「とても実感できた」、「実感できた」が7割以上を占めていた。
     生徒のコメント(抜粋)は以下の通りである。
    【研修で良かったこと】「英語漬けの環境」「英語の楽しさが分かった」「英語で自分の気持ちが伝わった」など。
    【どのような力が身についたか】「コミュニケーションを取る積極性」「様々な場面での対応力」「英語での表現力」など。
    【改善して欲しいこと】「日本語でも説明して欲しい」など。
    以上の回答から、今回の研修において、英語で自分の気持ちを伝えることが出来た経験は非常に大切であり、また自分で何とか話そうとする対応力を養うことができたのではないかと考えている。一方課題については、講師から英語で分かりやすく説明することを心がけ、同時に生徒に対しても、分からないことについて質問をさせるように一層促していく必要があると考えている。この点について、日本語に逃げないことは意識したい。
     その他のコメントでは、「中学2年以降も実施して欲しい」「後輩の為にも続けて欲しい」「とても楽しかった」などがあった。再参加を望む声や後輩にも経験させてあげたいと感じてもらうことができ、また純粋に楽しさを実感してもらえたことについて嬉しく思っている。

  7. 最後に
     はじめての企画である為、課題も見つかった。今後は研修目的をより実感できるように、Spring English Campをブラッシュアップしていきたい。参加した生徒は現在中学2年生だが、良い意味で積極的に普段の授業に取り組んでいると担当教員から聞いている。
     異文化交流や英語漬けの環境を通じて、英語のコミュニケーション力の向上だけではなく、生徒の視野を広げるきっかけとして、この研修をより発展させていきたい。

第3分科会 【女子中高】

 

質疑応答

Q.最後のグループ発表は、どのような流れで行ったのか? また、どの程度の準備時間を使ったか?

A.クラス(約9名)の中でさらにグループを分けて、テーマを選んでもらった。発表は一定のレベルまで作り上げる必要がある為、グループは一度組んだら固定した。この研修で学んだことを活かして発表していたように思う。準備時間は2時間しか用意しなかったが、研修中の授業は発表に繋がるように内容を考慮していた。たくさんの時間は取れなかったがこの2時間の中で、じっくりと準備をしてもらった。

Q.生徒同士は英語で話すのか?

A.授業に関しては生徒同士でも英語を徹底した。初日は講師が話す内容を難しいと感じた生徒が教員に頼ろうとする場面もあったが、あえて突き放した。その中で分からないなら、分からないことを伝えて質問するなど、次第に対応する力が上がっていったように思う。研修が進んでいくと、休み時間なども講師と交流するようになり、英語でコミュニケーションを取っていた。

Q.費用はある程度高いが、講師の負担が大きいのか?

A.講師の人件費は確かに大きい。食事の時間を含め、多くの時間を生徒と過ごす為、相応の負担にはなる。また、看護師の費用もかかっている。
今後、料金面も精査していく必要はあるが、「少人数」、「英語漬け」という点は守っていきたい。

Q.この研修は運営業者からの持ち込み企画か?

A.そうではない。本校から依頼したことがスタートであり、カリキュラム内容などは本校教員が主導して運営業者と協力しつつ、創り上げたものである。異文化交流を重視して講師のローテーションを計画するなど、本校オリジナルの要素が多くを占めている。

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