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第6分科会 【国際学院 初等部】

テーマ 国際バカロレアに準拠した探究学習における実践
発表内容 国際バカロレアに準拠した探究学習と実践状況の紹介
発表者 上里久美、川本敦、佐伯敬子、サルバ奈穂子

発表概要

 同志社国際学院初等部のカリキュラムの特色には、大きく二つの柱がある。
 一つは、6年間を通してすべての授業の55%を英語で、残りの45%を日本語で実施する日英バイリンガル教育で、いくつかの教科内容をすべて英語で学んでいる。もう一つの柱は、国際バカロレア(IB)の初等教育課程プログラム(PYP)の枠組みに沿ったカリキュラムで、様々な教科が融合して作られるUOI(Unit of Inquiry ― 探究の単元)で子どもたちは、それぞれのテーマに沿って、探究しながら学び、理解を深めていく。
 今回の発表では、はじめに、IBが提唱する「学習者像(Lerner Profile)」について説明があり、ここで目標として掲げられている10の資質を国際学院初等部が実施するPYPプログラムを通して育てるために、どのような取り組み、そして結果がでているかについて1年生と昨年の5年生の実践例をふまえ紹介された。
 国際学院初等部では、IBPYPカリキュラムモデルを基に探究単元のテーマを考え、6年間のプログラムを作成しており、1年間に6つの単元を学び、それぞれの単元に5〜6週間を充てている。この単元では、探究的な学習を通して、書く・読む・発表するなどの作業があるため総合的な力を育てることができる。ここで教員は「Central Idea」と呼ばれる探究の最終目標を定め、そこに到達できるように探究の流れを導いていくのが役割で、1条校でもあるため、学習指導要領の内容を当てはめ、必要な知識や技能を身につけることが出来るように工夫している。

 昨年の5年生は、IBのテーマである「How We Express Ourselves」に沿った単元の中で、国際的に活躍されている映画監督の河P直美氏を招き指導を受け、子どもたち自身が監督となってiPadを活用して映像作品を作成・発表した。この単元を通し、情報端末の操作方法の取得のみならず情報リテラシーの知識を得たり、自ら構成やセリフなどを考える国語力、英語でインタビューをする際の語学力やコミュニケーション能力、作品にする上での美術や音楽における知識や手段など、教科を横断したかたちで子どもたちは複合的に力を付け、成長に繋げることができた。
第6分科会 【国際学院 初等部】

 

 

質疑応答

  • こういったプロジェクト型の評価(成績付け)はどうしているのか。
    → 一人ずつ、学年ごとにポートフォリオを作成し、細かく記録している。
    教員は授業の様子をたくさん動画におさめ、子どもたちの発言や様子などを確認し、後からでも振り返られるようにしている。Unitの意味・理解がどこまで進んでいるかを、様々な方法でチェックしている。
    探究学習のような、明確な正解の無い学習の場合で大事なことは、「教師が理想とする形」や「到達地点(評価ポイント)がどこか」を子どもたちと詳細に共有することである。
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