同志社の一貫教育

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全体会

演題 一貫教育の更なる充実を目指して
発表者 八田 英二  学校法人同志社 総長・理事長

講演概要

 東京に帝国大学が1校あるだけの時代、日本にも私立大学を、しかも関西に作るという創立者新島の提案は、従来の発想にはない新発明※と言えるものであった。新発明として生まれた同志社は、創立時から時代の最先端をいくDNAを持っていたと言える。これを現代に引き継ぐ強い意志を「フロントライン同志社」という言葉に込め、本基調講演は、その実現のための提案としたい旨、冒頭に説明があった。

 講演では、まず、どのような教育にも一貫性が必要であり、一貫性のない教育に未来はない。真の意味での一貫教育とは、単に幼稚園から大学・大学院までが揃っているだけの総合学園のことではない。「キリスト教主義」、「自由主義」、「国際主義」の3つの教育理念を土台に“自治自立の精神、すなわち自分で考え、自分で判断し、自ら良心を持って行動できる人物を養成する教育”こそが、“同志社らしい”一貫教育であるとの確認があった。

 現在は、幼稚園教育から、小中高の初等中等教育、大学・大学院の高等教育が、かつそれらの接続部分までもが大きな制度改革の対象とされ、教える内容から教え方に至るまで改革の必要性が叫ばれている。社会から変化を求められるのは、今の教育が十分に機能していないことの表れである。2018年度以降、18歳人口が停滞から減少に推移し、潰れる大学が地方国公立大学にまで及ぶと懸念されている。私立大学では現在でも4割強が定員割れの状態にあるところ、今後大学入学者数は、2018年の65万人から2031年には48万人にまで落ち込むと見込まれている。さらに、今から100年後には、日本の人口が明治維新期と同水準にまで落ち組むとの予測もある。この状況を理解した上で、我々は同志社教育の明日を考えなければならないと述べられた。

 一方、これからの社会を支える学生・生徒に求められている力は、(1)自発的課題解決能力、(2)チーム設計力・マネジメント力、(3)コミュニケーション力、(4)自己統制力であり、これらの力は、まさに同志社建学の精神の具体化の中で身につく力である。今こそ同志社建学の精神を現代に生かした形で、新発明の「同志社一貫教育」を作り上げていくときだとの考えが示された。

 その推進の要として「同志社一貫教育総合研究所」(仮称)設立が提唱され、そこでは、小学校から大学までの横断型の教科別研究・研修の推進や、課外活動における一貫教育の充実、同志社ブランドの発信といった法人全体に関わる事項への対応等を取り扱う構想と、検討スケジュールが示された。

 講演の最後には、新島がハーディー夫人に宛てた手紙の中の「このような時勢にあっては、私たちの前線をしっかりと保つために力を合わせる努力をしなければなりません。」という一文が紹介され、現在の同志社も当時同様、大きな変革の渦中にあり、こういう激動の時代こそ、我々はフロントラインに立ち、新島の意志を引き継いだ上で、活路を見出していくべきであるという決意が述べられた。参加者にとっては、同志社建学の精神に基づく一貫教育の強みを再認識するとともに、これからの学校法人同志社が進むべき具体的な方向性を共有する良い機会となった。

※新島が、京都看病婦学校開設にあたっての講演の中で用いた言葉。「この種類の学校は、(中略)一種特別新発明の学校と云うて可なりと存じます」

 

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