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第6分科会 【同志社中高】

テーマ 学校間の接続
発表内容 高大連携を見据えた課題解決型学習の展開に向けて
発表者 鈴木 潤

発表概要

法人内の司書教諭・学校図書館に関わる分掌のメンバーを中心に、文部科学省「確かな学力の育成に関わる実践的調査研究A学校図書館の有効な活用方法に関する調査研究」を受託し、2011年度から事例研究や研究授業の実施を行ってきた。プロジェクト学習や課題解決学習を行うためには、図書館を利用した授業が必要になるが、授業時間数や授業利用に関する様々な課題も見えてきた。
同志社国際中高の高1「Communication and Media」での授業内容を元に授業内での学びのプロセスをT-Modelとしてモデル化した。教科の授業内の限られた時間内で課題解決型の学習を行うために、重点的に扱うねらいや目標とするプロセスを「部分」として明確にして取り組むアプローチを取った。
本発表では同志社中高の高1「社会と情報」で取り組んだリサーチの授業について報告した。この授業は、図書館でのリサーチを、レポート課題等で当たり前に使えることと、他教科の授業においてもスキルを活用できるようにする事を狙いとした。
プロジェクト学習でのテーマ決定を想定し、適切なワークシートやチャートを提供することでグループでの議論をスムーズにする工夫も取り入れた。リサーチにおいてはたくさんの情報源からデータを集め整理する中で、自分自身の意見を導く事が大事である。調べた情報を適切に記録するための情報カードのフォーマットを定め、その都度メモを取るような形で授業をすすめた。

生徒が自発的にリサーチをすすめられるようになるためには、学びのプロセスを様々な場面で何度も繰り返し経験することが必要である。学校間や授業担当者同士がもっとノウハウを共有することで、図書館を利用したリサーチの機会を増やす事が出来ると考える。
分科会の様子

分科会の様子

 

質疑応答

「テーマ設定時の具体例や、どこまで自由にテーマを設定できるのか教えてほしい。」
→以前は、社会の中の情報という観点でテーマを探させたが、あまりにもあたりまえになってきているため、生徒が意識しにくくなっており、気付くという最初のステップから難しかった。それを受けて、今年はユニバーサルデザインをテーマとし、生活の場(台所、風呂場など)を限定して始めた。ある程度限定すると、発想が広がりやすい。

「リーガルリサーチを担当している。高校時代に身につけておいてほしいと思う点は、意見と事実の違いを明確にしてほしい点と、コピーアンドペーストは情報倫理の面からも悪く評価にも値しないと認識してほしい点だが、現状を教えてほしい。」
→生徒の現状として、まず多くの資料を得るという経験自体が少ないように感じる。限られた視点の少ない情報から結論を出そうとしている。そのため、今回は情報を多く集めることに注力したが、次のステップとして、多く得た情報を元に自分の意見をどのように構築していくのかについても、積極的に取り組んでいきたい。

「中学校段階では国語科でこの取り組みを行った。初年度はうまくいかないこともさまざまあったが、その経験を元に次の年度では改善もでき、多くの実践を行えた。やはり継続性が重要で、課題である。要求する側の教員も1つ1つを確認しながら生徒と向き合っていけば、生徒もそれに応えてくれると感じる。」「継続性の話題が出たが、とても大切だと思う。本校の例だが、これまでの実践の蓄積を元に、調べ学習ガイドを作成し全員に配布している。自由研究課題などとも連携し、継続した取り組みができるよう工夫している。」
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