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2016.11.5 第34回東京新島講座を開催しました

 

11月5日(土)に、第34回目となる東京新島講座を同志社大学東京サテライト・キャンパスにおいて開催した。当日は、新関三希代大学経済学部教授と吉海直人女子大学表象文化学部教授の講演で、延べ約81名の方々にご参加をいただいた。

冒頭、大谷総長が東京新島講座を開催する趣旨について説明すると共に、平素からの学校法人同志社への支援及び協力に対するお礼のあいさつがあった。

講演第1部では、新関教授が「行動ファイナンスから読み解く株式市場のアノマリー」の演題で講演をされた。冒頭、伝統的な経済学から合理的経済人(ホモエコノミカス)について紹介され、そこから、行動経済学(行動ファイナンス)の意味を説明された。次に、金融市場に存在する現存のアノマリーについてクイズ形式を用いながら説明された。クイズのまとめとして、Reflection Effectについて説明された。これは、利得局面と損失局面で投資家の意思決定が反対になること、つまり、得をしているときは早めに利益を確定し、損をしているときは売りにくくなることである。売って損失を確定することは投資の失敗を認めることであり、投資家は実現損を避け、さらなる損失拡大のリスクをとるようになり、「損切りはやめに、利食いはゆっくり」という格言があることを紹介された。続けて、Prospect Theoryや非対称性(大きな株価下落)について、@1987年10月のBlack Monday、A2003年4月のソニーショック、B2013年10月のガンホーの株価を例に説明され、下落の方が下がる率が高く、これはProspect Theoryで説明できることを紹介された。さらに、人は合理的に計算できるのかという問いについて、病気の感染率や、宝くじ、終身保険を例に、具体的に説明された。結びに、おとりにだまされていないかという問いを参加者になげかけられ、その例を紹介されながら、是非気をつけて欲しいと参加者に述べられ、講演は終了した。

講演第2部では、吉海教授が「日本文化の窓として百人一首−あなたには窓からどんな景色が見えますか−」の演題で講演をされた。冒頭、競技かるたをテーマにしたアニメの流行について触れられ、そのアニメは世界50カ国で放映されている現状があり、その影響により競技かるたをフランス人が1週間で100首覚えた例やブラジルやポーランド、ハンガリーでも競技かるたが実施されている例を紹介され、競技かるたとしてのゲームが世界に浸透していることを説明された。次に百人一首の力について、国語の教科書に百人一首が採用された例から、百人一首ほど勉強と遊びが融合し一体化したものはなく、上の句を聞いて下の句札を取る高度な頭脳ゲームである点や、光源氏との対比から、光源氏を原文で読める人はほとんどいないが、百人一首は原文でほとんどの人が読んでいる点等を説明された。最後に、配付資料に描かれた実際のかるたの絵を見ながら、明治37年の標準かるたでは絵がないことやかるたを見るとかるたが作られた時代背景がわかること等を紹介され、今後かるたを見ることがあれば、是非歌仙絵にも気をつけて見て欲しいと述べられ、講演は終了した。

気鋭の2名の教授による熱意ある、時折笑いも交えた講演に参加者は興味深く聞き入り、国によって制定された「教育・文化週間」に相応しい熱気溢れる講座となった

 

>>【新関三希代先生 講演資料】
  行動ファイナンスから読み解く株式市場のアノマリー[PDF]

>>【吉海直人先生 講演資料】
  日本文化の窓として百人一首−あなたには窓からどんな景色が見えますか−[PDF]

大谷實総長の挨拶
大谷實総長の挨拶

新関三希代先生の講演の様子
新関三希代先生の講演の様子

吉海直人先生の講演の様子
吉海直人先生の講演の様子
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