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2015.10.10 同志社創立140周年記念 第33回東京新島講座を開催しました

 

10月10日(土)に、第33回目となる東京新島講座を同志社大学東京オフィスにおいて開催した。当日は、中村信博女子大学学芸学部教授と横川隆一大学生命医科学部教授の講演で、延べ約65名の方々にご参加をいただいた。なお、本講座は、本年11月29日に同志社が創立140周年を迎えることから、その記念として開催された講座でもある。

冒頭、大谷総長が東京新島講座を開催する趣旨について説明すると共に、平素からの学校法人同志社への支援及び協力に対するお礼のあいさつがあった。

講演第1部では、中村教授が「キリスト教教育のなかの聖書」の演題で講演をされた。冒頭、同志社教育の柱となっている「人格を育む」という精神について、横田安止宛の新島の書簡から紹介をされた。キリスト教精神、同志社女子の基本精神であるキリスト教主義、国際主義、リベラル・アーツの紹介をされ、そして、新島襄のキリスト教理解として、良心・愛・自由・真理・倜儻不羈(てきとうふき)それぞれについて解説、続けて、布教か使命かというMissionの理解について、甲斐和里子(京都女子学園創立者)の例を用い「同志社は非常にブロードであった」という甲斐氏の感想を紹介された。次に、同志社女子大学における「聖書」科目の位置づけ、宗教部の活動、科目としての「聖書」の性格、「聖書」の理念について、大貫隆氏やM.ハルバタール氏の著書の記載を紹介されながら説明された。続けて、聖書によって披かれる対話可能性として、P.ブリューゲル氏の絵画を見ながら説明、ブリューゲルは彼が生きた時代と聖書を結びつけて描いており、聖書を読むものは現在の事柄と聖書とを結びつけて考えていると述べられた。結びに、現在の同志社女子大学から看護学部の設置と新島記念講堂のステンドグラスを紹介され、同志社の営みの中に聖書の言葉が生きており、「神(隣人・社会・他者)との対話によって生きる」人びとの育成を行うことの重要性を述べられ、講演は終了した。

講演第2部では、横川教授が「ロボットは高齢化社会の助けとなりえるのか―人の運動制御と介護用ロボット―」の演題で講演をされた。冒頭、介護の現状について、介護現場では人不足でありやむなく閉鎖する施設があること、働き盛りの年齢の方がやむなく介護のために職を辞する現実があること、政府は人手を増やす政策に出ていること、そして、人手がないということからロボット化を進める政策が進められていることを紹介された。次にロボットの利用について、手術用のロボットはアメリカ製ではあるものの導入は進んでいるが、介護の現場ではほとんど導入が進んでいない現状を述べられ、介護用のロボットの説明に移られた。介護用のロボットはベッドから車椅子への移乗、歩行補助等に利用されており、装着型(代表的なものはサイバーダイン社のHAL)やリフト型等がある旨説明され、高齢者の上肢運動補助次世代ロボットや通信ネットワークを用いた分散協調型運動支援ロボットシステムなど、実際に導入されている介護ロボットの例や介護ロボットの実現の困難さを講師が実験された動画を流されながら、懇切に説明された。続けて、介助動作計測結果に基づいた腰痛防止機器の開発(白川明星園での介護動作の姿勢計測)について説明をされた。結びに、平均寿命と歩行速度について、歩く速度が早い方が寿命が長いという実験結果を、グラフを示して紹介され、是非運動をして欲しい、とりわけウォーキング等大きな筋力を使う運動が重要である旨述べられ、講演は終了した。

気鋭の2名の教授による講演に参加者は興味深く聞き入り、両講演終了後には、質疑応答も活発に行われ、140周年の記念に相応しい熱気溢れる講座となった。

>>【中村信博先生 講演資料】
  キリスト教教育のなかの聖書[PDF]

>>【横川隆一先生 講演資料】
  ロボットは高齢化社会の助けとなりえるのかー人の運動制御と介護用ロボットー[PDF]

大谷實総長の挨拶
大谷實総長の挨拶

中村信博先生の講演の様子
中村信博先生の講演の様子

横川隆一先生の講演の様子
横川隆一先生の講演の様子
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