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2013.10.2  第36回新島講座を開催しました

第36回新島講座は、ミュンヘン大学法学部教授マティアス・ハーバーザック(Mathias Habersack)氏を講師に迎え、10月2日(水)に良心館107番教室において公開講演会「欧州連合とEU市民意識」、続いて10月9日(水)に寒梅館212番教室において公開セミナー「EU法の発展と現状」を開催した。

良心館107番教室がほぼ満席となった公開講演会では、主に以下の内容について論じられ、最後に今後の展望を述べられ講演を締めくくられた。

  • 「ヨーロッパ」という用語は古代ギリシャ語に由来している。紛争の解決を武力によらないという構想の下で6か国によって3つの異なる共同体が創設されたのは1950年代である。現在は、28か国からなる国家連合に拡大しており、その発展を法的に支えてきたのは、第一次的EU法(現在は2009年に発効したリスボン条約でヨーロッパ連合運営条約)および司法裁判所の判例および第二次的EU法(規則や指令等)である。
  • ヨーロッパの統合を目指して出航した加盟国の法の調整も、長い航海の間に、加盟国の増大と統合の強化に対する疑念によって、国内法を相互に統一化するという目標から、各加盟国の国内法を尊重する二段階の手続によってEU法と国内法が併存するという方向に転回している。
  • 条約が定める商品・サービス・ひと・資本の自由な流通、労働の場の自由な選択、居住の自由などの基本的諸自由のヨーロッパ司法裁判所の判例による実現化によって、EU市民は、様々な恩恵を享受している。
  • 最近の南欧諸国の国家債務の問題以後は、それらの国々と経済的に安定している北側の国とを切り離して、別々の統一化・統合を目指すという異なる速度をもって展開する二つの方向が模索されている。さらに、市民レベルにおいても、民主的な正当性を欠いた委員会とヨーロッパ議会によるヨーロッパ法の定立という問題が自覚されてきている。規則制定者が、条約が強調している補充性の原則を軽視していることから、ヨーロッパに対する倦怠を醸成している。
  • 現在の国家債務の危機が長期的に克服されることになれば、ヨーロッパという考え方が再生しまた開花することがあり得るという期待を持てるきっかけになると考える。

当日は、一般市民、学生、教職員など約280人が、ハーバーザック氏の講演に熱心に聞き入り、質疑応答も行われ、盛況のうちに講演会を終了した。なお、講演会の内容は、「ヨーロッパ連合と法の役割—展開、状況、展望」と改題されて同志社法学366号において掲載(邦訳:守矢健一大阪市立大学法学部教授)される予定である。

>>【講演会資料】Die Europäische Union und die Rolle des Rechts[PDF]
>>【講演会和訳】欧州連合と法の役割(要約版)[PDF]

当日の様子

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