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2011.2.12
同志社創立135周年記念 東京新島講座を開催しました

 2月12日(土)に、同志社創立135周年記念東京新島講座を東京神田にある学士会館において、村田晃嗣法学部教授と渡辺好章生命医科学部教授をお迎えして開催した。当日は、約160名の方にご参加をいただいた。

講演第1部では、村田教授が「日米中関係の展望」の演題で講演された。2010年という年は、日米中にとって「アナス・ホリビリス(ラテン語で「ひどい年」という意味)」であったと話された。それは、日本では、経済の混迷、参議院選挙での与党民主党の大敗、ねじれ国会、小沢議員の政治とカネの問題、尖閣諸島での日中衝突、普天間問題といった、経済・内政・外交安全保障それぞれにおける状況を指し、また、アメリカでは、昨年12月時点での失業率9.8%という状況、中国では、日本との尖閣諸島問題やノーベル平和賞をめぐる問題で、傍若無人なイメージを世界に定着させた状況を指されてのことだ。では、それに対し、今後、「アナス・エスペランス(希望の年)」とするためには、どのような準備と努力をすればよいかについて、人材を育成することによって、人材不足により失われつつある多様性や柔軟性を回復させ、コミュニケーション能力の喪失によるコミュニティの衰退を防ぎ、権力や財力、文化の多様化のために、地方への分権化が必要であると示唆され、講演を結ばれた。
講演第2部では渡辺教授が、「創造とプロデュース〜プロデュース・テクノロジーの視点から〜」の演題で講演された。まず、少子高齢化や格差社会、社会的不安の増大、行き詰まり感といった現状の問題点を打破するためには、社会の最も大事な要素である「ひと」の能力向上、つまり人材育成が不可欠であると述べられた。では、どのような力が次世代に必要になるかというと、それがプロデュースであり、そのプロデュースの体系化がプロデュース・テクノロジーであると論じられた。まず、自分自身で考える習慣をつけ、考える能力を伸ばし、信頼を得る言動を積み重ねる、そして、そのような「個」の質を高め、その質の高い「個」による人的ネットワークを築く。このように、総合的人間力に満ちた人材を育成していけば、個の質の向上が組織の質の向上へとつながり、やがては創造性溢れる知的立国、人材立国へと導くことになるとして講演を結ばれた。

アプローチの視点は異なっているが、第1部、第2部の講演はともに、現状認識をしたうえでの問題点を提示され、それに対して、今後、どのようにその問題を解決すべきかを示唆されるという点で共通していた。また、それぞれの問題に対する答えが、まさに、同志社が135年の歴史をかけて手掛け、さらに今後も大切に培っていかなければならない「人材の育成」であるという、同志社創立135周年記念事業の最後を飾るふさわしい講演会となった。

東京新島講座

東京新島講座

 

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