学校法人 同志社 事業報告書 2014
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学校法人 同志社 事業報告書20145─大学から中高、小学校にいたるまで学校教育の改革が求められています。 少子化が進行する中で、学校間の競争は激化しています。グローバル化への対応、地域との連携、産学官連携など、学校が取り組むべき課題も山積する中で、他校にはない独自性、優位性を築くことが求められる時代に入っています。同志社では教育力・研究力の一層の強化に向けて各学校で工夫を凝らした改革を進めています。 創立者・新島襄が良心教育を実践しようとした同志社発祥の地・今出川のキャンパスには、同志社大学の人文・社会系の8学部がそろい、人文知・社会知を駆使して人と人の生きる社会の探究に向かっています。一方、複合教育・国際的先端研究の拠点として6学部を有する京田辺キャンパスにこのほど完成した訪知館に大学院脳科学研究科が移転し、各キャンパスが目指す教育研究の方向性がより明確になりました。 同志社女子大学は2015年4月に看護学部を開設し、薬学部とともに京田辺校地における医療系教育研究の体制が拡充しました。今出川校地では、同志社女子中学校・高等学校とともに耐震性能を高め、アメニティーを重視した施設の整備が進められています。女子中学校・高等学校の新校舎の建築が16年春、女子大学では新新心館や新楽真館(いずれも仮称)などの建築が18年春完了に向けて進行中です。 また、同志社国際高等学校はスーパーグローバルハイスクールに指定され、同志社国際中学校では同志社国際学院初等部の卒業生の受け入れが始まりました。同志社全体がグローバルな教育研究機関を目指し邁進しています。─同志社大学の京田辺キャンパスには待望の礼拝堂が完成しました。 同志社は、キリスト教主義を基本とした教育研究活動を実践する学校です。同志社京田辺会堂は、同志社の精神性を象徴する施設であり、学生が集い礼拝をはじめとして多方面の催しを行う場となることが期待されます。京田辺会堂は礼拝堂の言館(KOTOBA-KAN)と展示スペースを持つラウンジである光館(HIKARI-KAN)で構成され、二つの建物は開放感あふれるガラス面で向かい合っています。礼拝堂ではチャペル・アワーが週3回、昼休みにはオルガンの音色とともに静かな時間を過ごすメディテーション・アワーが開催されています。─教育力・研究力の強化には、強固な財務基盤が欠かせません。 同志社は、このほど改正された学校法人会計基準に対応しつつ、経常勘定と建設勘定を分離して財政の均衡を図ることを目的とした独自の会計制度を今後も継続して採用します。各学校の独立採算制を維持するとともに、各学校が中長期計画に基づいて規模の大きな整備事業を実施する際には、学校法人内部で資金を融通しあう相互協力システムを構築しています。財務内容は健全で、かつ安定しています。現在取り組んでいる事業は借り入れに依存せず、すべて自己資金で賄っています。 同志社140年の伝統で培われた知見を活用し「独自一己の気象を発揮」し「良心を手腕に運用」する人物の育成という建学の精神の涵養に教職員一同が努めてまいります。(アーモスト館にて)健全かつ安定した財務を基盤に教育力・研究力を強化水みず谷たに 誠まこと理事長からのメッセージ

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