学校法人 同志社 事業報告書 2014
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学校法人 同志社 事業報告書201413ハイライト実用化した電解採取用陽極の例銅電解採取における電解電圧の比較ハイライト3研究革新的なレアメタル・ベースメタルの製造技術の事業化に成功 理工学部環境システム学科の盛満正嗣教授は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業 スーパークラスタープログラムにおいて、レアメタルやベースメタルの製造方法として、省電力と低環境負荷を同時に実現できる革新的な電解採取法を開発し、その核となる電解採取用陽極の事業化と電解採取プラントでの実用化に成功しました。  レアメタルやベースメタルは、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池のほか、SiC(炭化ケイ素)などのパワーデバイスが利用される電化製品、電気自動車、送電システムなどで幅広く利用されています。これらの金属は鉱石中に含まれており、金属として取り出すために電解採取法による製造が行われてきました。しかし、この方法は大電力を消費し、また電解を行う際に金属汚泥を発生するといった技術的課題が残っていました。  こうした課題を解決できる新たな材料として、熱分解法により触媒活性の高い酸化物ナノ粒子を触媒活性の低い非晶質酸化物中に均一に分散したハイブリッド構造を有する触媒の開発に世界で初めて成功しました。また、この触媒を備えた新たな電解採取用陽極とこれを用いる電解採取法に関する特許を国内外で取得しました。 さらに、これらの特許を米国のOutotec USA社にライセンシングし、実際の電解採取プラントに用いるメートルサイズの陽極の製造を行うとともに、その評価を様々な電解採取プラントで行ってきました。その結果、従来に対して最大で36%の電力削減が可能であるとともに、金属汚泥が抑制されることを実証し、Cobre del Mayo社の銅電解採取プラントなどへの導入に成功しました。  この成果は、過去100年以上に及ぶ金属製造技術に革新的な進歩をもたらし、世界16カ国で本研究による電解採取用陽極および電解採取法への全面的な転換が進められています。また、これまで廃棄物処理されていた金属汚泥や都市鉱山と呼ばれている廃電化製品などからの有価金属の回収にも利用可能であり、これまでの金属製造プロセスを一新する技術として期待されます。ハイライト4地域社会への取り組み京都 「老舗講座」を全4回にわたって東京で開催 朝日新聞社との共催、文化庁および京都府、京都市の後援により、同志社大学 京都「老舗講座」を東京(会場はJPタワー ホール&カンファレンス)で、4回(2015年1月9日〜2月24日)にわたって開催しました。  日本文化の拠点・京都で、同志社大学は140年の歴史を歩んできました。京都の老舗で伝統産業を受け継ぐ方々とも深いゆかりがあります。今回の講座では、創業以来守り続けてきた志や思い、さらには時代の変遷とともに取り組んできた新たな試みについて、4名にお話しいただきました。ご登場いただいた4名の方々は、いずれも本学と京都に深いゆかりをお持ちです。 テーマはそれぞれの回で「旅館」「料亭」「織」「香」を設定。来場者の方々には、日本文化とその文化の中心としての京都、そしてその魅力を感じていただきました。暖簾(のれん)という言葉の重みを説明した柊家六代目女将の西村明美氏京都の食文化について分かりやすく説明した瓢亭十四代当主の髙橋英一氏開催日テーマ講師第1回2015年1月9日旅館柊家六代目女将西村明美氏第2回2015年1月20日料亭瓢亭十四代当主髙橋英一氏第3回2015年2月13日織株式会社細尾社長細尾真生氏第4回2015年2月24日香株式会社松栄堂社長畑正高氏

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