学校法人 同志社 事業報告書 2013
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8グローバル・リソース・マネジメント 文部科学省の「博士課程教育リーディングプログラム」に採択(2012年度)された同志社大学の「グローバル・リソース・マネジメント」は、13年度に本格的な活動を開始しました。 本プログラムでは大学院グローバル・スタディーズ研究科と理工学研究科が基幹研究科となって、人間生存の基盤である「資源・エネルギー工学、インフラ科学」と「地球規模の現代的課題群にかかわる人文・社会科学」を融合。博士前期・後期課程を一貫した「文理融合型」の大学院教育プログラムです。グローバル・スタディーズ研究科、理工学研究科の学生のほか、神学、政策科学、社会学、社会福祉学などを専門領域とする研究科・専攻の学生も履修することができます。 プログラムを履修する学生には、自然科学分野での最適化問題を社会科学の側面も含めて俯瞰し、国家資源や社会インフラが「人間の創出するシステム」であることの認識を深め、文理が融合した実践知を習得してもらいます。リソース・マネジメントの本質は、天然資源や人的資源・社会関連資本を適切かつ公正に管理・運用することで、共通リソースとしてのインフラストラクチャーを、持続可能な発展と人々の平和と安寧のために構築・改善していくことにあります。本プログラムでは、現在の困難を解決し、将来に生じ得る問題を事前に察知して対策を講じられる能力を兼ね備えた、博士学位を有する高度専門職業人を養成します。グローバル・イシューを解決する良心教育 本プログラムで養成しようとするリーダーは、いわゆる「エリート型」のリーダーではありません。創立者新島襄の「一国の良心とも謂(い)ふ可(べ)き人々の養成」という理念を現代社会に適用し、宗教や文化の相違を十分に理解、配慮でき、新興国や最困難国・地域で、地域の人々と同じ目線で、ともに汗をかいて問題を解決できるグローバル・リーダーです。 例えば、最困難国・地域で国づくり、社会形成に貢献しようとする技術者には、科学技術の知識を有しているだけではなく、それぞれの国や地域に固有の文化や宗教、習慣や生活様式の理解が必要です。グローバル・イシュー(地球的規模での解決が必要な問題)の解決に貢献しようとする社会事業家には、文化や宗教の理解にとどまらず、それらの地域の社会インフラ改善・改良のための技術についての基礎的知識を持つことが求められます。 同志社大学は、長年にわたって蓄積してきた人文・社会科学と自然科学の知の体系を統合した「文理融合型」のプログラムにより、強靭な精神と高度な倫理観を持ってグローバルに活躍する人材の養成を目指します。国際感覚豊かな人物を育成する留学制度 同志社女子大学では、海外研修や日本語指導実習などの短期のプログラムから、正規科目の履修を目的とした中・長期プログラム、英語学習・留学支援などの多彩なプログラムが用意されています。その中で13年度から導入されたのが「セメスター語学留学」制度です。このプログラムは、学生の英語の理解力と表現力を高め、現地での生活を通して両国相互の社会、文化、習慣などに対する理解を持つ国際感覚豊かな人物の育成を目的としています。 期間は秋学期の1学期間で、留学先は米国のメリルハースト大学。オレゴン州メリルハーストにあるカトリック系の私立大学で、この付属英語学校において語学研修やサービス・ラーニングを受講します。対象は、全学部の1、2年次生です。参加者には大学から補助金を支給します。 次年度からは、派遣先にカナダの大学を追加したり、春学期の派遣を可能にしたりするなど、参加希望学生のニーズに合わせてプログラムの拡大を図る予定です。2013ハイライト社会の要請に応える取り組み教育・研究、保護者・地域社会・国際連携・環境への取り組み、寄付事業ハイライト1教育文理融合の実践知を身に付ける博士課程や新留学制度継続して「国際主義」を推進する教育を実践宗教・民族の共生ガバナンス開発平和構築紛争抑止水資源電力エネルギー交流情報・通信グローバル・スタディーズインフラ科学/資源・エネルギー工学GlobalResourceManagementグローバル・リソース・マネジメントグローバル・リソース・マネジメントグローバル・リソース・マネジメントが扱う領域

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