学校法人 同志社 事業報告書 2013
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学校法人 同志社 事業報告書20135―2013年に教学体制の再編が終ってから1年が経ちました。 同志社大学は13年4月、人文・社会系8学部・10研究科を今出川校地に集約しました。その結果、学ぶ場所が学年によって京田辺校地から今出川校地に変わる「2校地体制」から、この領域のすべての学年が今出川校地で学ぶ「1校地体制」になりました。 一方、京田辺校地は理工系と文理融合系を軸に言語系を含めた6学部・6研究科体制となり、「Creative Hill」と名付けられたキャンパスにふさわしく、複合的教育の拠点、国際的先端研究の拠点として体制を整えています。 同志社女子大学は、わが国有数の総合女子大学としての地歩を堅固なものにしていますが、15年4月には、6番目の新学部「看護学部」を京田辺校地に設置し、薬学部とともに医療系の教育研究をさらに充実させる予定です。 同志社は、両大学に加えて、4つの中学校・高等学校、2つの小学校、インターナショナル・スクール、幼稚園、合わせて14の学校を擁する総合学園です。これらの諸学校は、個性的なそれぞれの校風の中で、建学の精神であるキリスト教を土台にした自由・自治・自立の精神を大切にし、「良心が全身に充満した」人物の養成に努めています。―今後の取り組みについて、具体的にお聞かせください。 同志社女子大学は17年度までに今出川キャンパスの大規模な整備計画を進めています。同志社女子中学校・高等学校も16年度までのキャンパス整備計画が動いています。同志社国際中学校・高等学校では、同志社国際学院初等部の卒業生を15年度から受け入れるにあたり、ハード面を含めた教育環境の整備を進めています。 現在、私立学校は、少子化や国・公立学校の改革などによって、また、グローバル化への対応、産学官の連携、地域貢献といった多様な課題の中で熾烈な競争環境に置かれています。このような生き残りをかけた競争の中で、同志社がさらに発展を遂げていくために、キャンパスの整備、施設の整備などハード面への投資を続けていくとともに、教育力の実質的な強化を図るためにソフト面をさらに充実していかねばなりません。具体的には、幼稚園から大学院までの一貫教育体制の強みを生かして、園児や児童、生徒、学生のそれぞれに対して、成長の度合いや個性、発達段階に対応しつつ、良心的な生き方や行動が血となり肉となっていくように努めていくことが大切です。また、教育内容の常なる点検や、教育事業に携わる教職員の意欲をさらに高める工夫も必要でしょう。―学園のより一層の発展のためには、財政の安定が欠かせません。 同志社の財政基盤は健全かつ安定した状態で推移しています。今出川校地の大規模な環境整備を昨年まで進めてきましたが、金融機関からの借り入れなしに自前の資金でそれを果たすことができています。この財政上の安定は、同志社の発展の基盤であることを自覚し、これをさらに強固なものとすることで今後の事業を確実に実行していきたいものです。今後は、収入構造の多様化を一層進め、外部資金の獲得を心がけるとともに、無駄を省いた効率的な運営を心がけていく所存です。 (良心碑前にて)安定した財政基盤を生かして良心的に行動する人物を育てますMessage fromChairperson水みず谷たに 誠まこと理事長からのメッセージ

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