学校法人 同志社 事業報告書 2012
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学校法人 同志社 事業報告書20127同志社女子教育の原点に帰り、社会に貢献する良心に満ちた女性を育てます同志社女子大学長インタビュー同志社女子大学加か賀が 裕ひろ郎お学長─第14代学長に再任されました。 建学から1世紀以上が過ぎ、同志社女子大学が果たすべき役割や、学園を取り巻く環境は大きく変化しています。学長1期目の3年間は同志社女子教育の原点に帰り、建学以来受け継いできた「キリスト教主義」「国際主義」「リベラル・アーツ」という教育理念を継承するとともに、「Mission」(同志社女子大学が育む女性像)に即して、社会の変化に対応し、どのような女性を育てるかという観点から、いくつかの改革を進めてきました。 1期目の取り組みは、形を見せ始めています。2期目はこれまで進めてきた改革を着実に実行に移すと同時に、建学の精神に基づき、教育・研究のさらなる高度化に努めます。─2期目の重要なテーマは、「女子大学の将来構想」の具体化です。 2012年度から16年度までの5年間の将来構想では、「リベラル・アーツ」「社会」「女性・女子大学」という新たな3つのキーワードを掲げました。そして、これらのキーワードを基に、5年間で取り組むべき同志社女子大学の「強み」につなげる方針と、「強み」を支える方策を定めました。 「強み」につなげる方針は、「同志社女子大学型知性の構築」「『志』の実現を支援する体制の構築」「21世紀を生きる女性を育む『ホーム』を作る」の3つ。「強み」を支える方策は、「安定した財政基盤の確保」「大学の組織力の強化」「教職員の意識改革」の3つです。─現在、どのような取り組みが進んでいますか。 新たな教学組織として12年4月に「大学院薬学研究科」を、13年4月には「音楽専攻科」を開設しました。さらに、新しい学部の設置に向けた検討も進めています。 最も強調したいのは、「いかにして社会に貢献するか」という観点から、リベラル・アーツ教育のあり方を見直したことです。言い換えると、リベラル・アーツ教育とキャリア教育(職業教育)の密接な連携です。専門分野の知識や技術を確実に習得させるとともに、専門分野以外の学問を学ばせることで、豊かな社会づくりに貢献できる女性を育てたいと思います。 そのため初年次教育の改善や、教員の教育能力・資質の向上に向けた組織的な取り組みなどに力を入れています。教員の能力・資質向上の面では、実学を教える教員だけでなく、どの学科の教員であっても、「社会にどのように役立つか」というキャリア教育の視点を持つ必要があります。─社会とのつながりも、より一層重要になっています。 これからの大学は学生の卒業後も視野に入れ、社会的・職業的自立に向けた指導に取り組まなければなりません。そこで、学生が大学生活の中で得たものが卒業後に生きていく上での糧となるような、社会との関わりを視野に入れた“人のために生きる”教育を行っています。そして、本学が女子総合大学であることの意義をもう一度確認し、私たちにしかできない教育、女性に必要な教育の確立をめざしています。現在構想中の女性教育センター(仮称)やボランティア活動センター(同)の設立は、こうした取り組みの一環です。 女性の生き方は多様化しています。そこで、大学のカリキュラムや課外活動などを通じて学生に、「それぞれのライフステージにおいてどのように生きていくのか」を考えることができる環境や、「こんな女性になりたい」という理想の女性像に近づくことができる環境を提供します。 13年2月には、今出川キャンパス整備計画を公表しました。安心・安全で快適なキャンパスの実現はもとより、自発的に学習できる環境づくりも視野に入れて、整備を進めていきます。(友和館ヒバードホールにて)

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