学校法人 同志社 事業報告書 2012
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62012グッド・ガバナンスを確立し、満足度日本一の総合大学をめざします同志社大学長インタビュー同志社大学村むら田た 晃こう嗣じ学長─第32代学長に選任されました。 文系学部が2013年4月に今出川校地に統合移転したことで、文系学部の教育が今出川校地で、理工系と文理融合学部の教育が京田辺校地で完結する環境が整いました。同志社大学は今、大きな転機を迎えています。 新学長として、良心を手腕に運用し「地の塩」「世の光」となることができる人物を育てるとともに、人材不足が叫ばれる今だからこそ、社会的に有為な人材を育成していきます。─新学長として、4つの長期目標を提案されています。 25年の「創立150周年」に向けて、「総合大学にふさわしい、量的拡大から質的向上へのより一層の転換」、「京都という地の利やキリスト教主義といった、同志社大学が固有に持つ特色の強化」、「全学レベルで取り組む施策と、学部・研究科レベルで取り組む課題の明確化」、「対外的・国際的な発信力の強化」という目標を提案しています。 例えば、2つ目の「同志社大学固有の特色の強化」では、京都に拠点を置く伝統芸能・文化との教育・研究両面でのコラボレーションなど、京都以外では実現できない取り組みを、これまで以上に推進することが考えられます。他の大学と協力して、京都を国際的な日本研究のハブにすることもできるはずです。 現在、全国の大学生の約4割が首都圏で学んでいます。こうした極端な“首都集中”の状況においては、伝統と革新が共存する京都という首都圏以外の視点から、社会を考察する必要があると考えています。 4つ目の「対外的・国際的な発信力の強化」では、世界各国の日本研究者との接点を強化して、同志社大学の教育・研究への理解者を増やしていきます。そのため、国内外に情報を発信する広報活動や各種シンポジウム、国際会議などを積極的に展開します。 長期目標を達成するためにまずは、「今出川・京田辺両校地の有機的連携の具体化」、「グッド・ガバナンスの確立」という2つの課題に、最優先で取り組みます。 同志社大学が「志を同じくする学園」であり続けるには、今出川・京田辺両校地の強固な連携が不可欠です。特に、学生数が減少する京田辺校地の活性化は喫緊の課題です。そこで今出川・京田辺両校地を通じて免許や資格が取れる科目の充実や、文理融合の研究環による産学官共同研究プロジェクトの推進などに取り組みます。─同志社大学を、どのような学園にしたいとお考えですか。 「夢を紡げる大学」でありたいと願い、4つのビジョンを描いています。1つ目は、“オンリーワン”の国際化を進める大学です。建学の精神の1つである「国際主義」に基づいて独自の国際化戦略を展開し、他大学の国際化のモデルになりたいと思います。 2つ目は、学生や卒業生、教職員などにとって満足度日本一の大学です。すべての関係者が、「同志社大学ここにあり」と誇れるようにします。同志社の徽章である三つ葉のクローバーは、「知」「徳」「体」の三位一体をめざす教育理念を表していますが、同時に「学生」「教職員」「校友」が調和している姿に見立てることができます。 3つ目は、日本一研究がしやすい大学です。「それぞれの先生にとって、いかに研究しやすいか」という視点に立って、文系・理系各学部などの事情やニーズに合った研究支援体制を構築したいと思います。4つ目がガバナンス日本一の大学です。教育と研究をより一層進化させるためにも、意思決定の過程を透明にして、熟議と効率のバランスをとることで、すべての教職員にとって「働きがいがある」、そして「働きやすい」環境を作っていきます。(良心館ラーニング・コモンズにて)

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