学校法人 同志社 事業報告書 2012
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学校法人 同志社 事業報告書20125─新理事長としての抱負をお聞かせください。 同志社大学では教育効果をさらに向上させるために、2013年度からすべての学部の学生が、今出川または京田辺の校地で一貫して学ぶことができる新しい教育体制に移行しました。“教学新体制元年”とも言うべき節目の年に理事長に就任し、思いを新たにしている次第です。 学校法人同志社は、「キリスト教主義」の学園です。同志社創立者の新島襄は、キリスト教を土台にした「良心教育」を唱え、良心を手腕に運用する人物の養成をめざしました。そして、この建学の精神によって同志社は137年の歴史と伝統を築き、「地の塩」「世の光」となる多くの人物を世に送り出してきました。今後、今出川・京田辺それぞれの校地の持つ特色をさらに充実・発展させると共に、両校地の学生や教員などの相互交流を促進し、同じ志を持つ教育・研究共同体として、21世紀に飛翔してまいる所存です。─大河ドラマ「八重の桜」の放送が始まり、同志社への関心や期待が高まっています。 「八重の桜」の主人公の新島八重は、夫の襄が1876年に開設した女子塾(同志社女子教育の源)に教師として参画しています。自分の生き方をはっきりと打ち出し、自らの力で人生を切り開き、幕末から昭和までの激動の時代を生き抜きました。 現在の日本では、長い閉塞状況から抜け出す明るい兆しも見えています。こうした時代の転換期に、混乱の中にあっても思いを貫いて生きた八重を主人公にしたドラマが放送されることは、意義深いものがあります。八重の生き方が、現代人の礎となり、光となることを期待しています。─教育・研究面の充実には、財政の安定が欠かせません。 同志社は2013年も格付投資情報センター(R&I)から9年連続で、「AA+(プラス)、方向は安定的」という格付維持の決定を受けました。こうした健全で安定した財務基盤が、同志社の教育・研究活動を支えています。 13年4月には、同志社大学に「グローバル地域文化学部」が開設され、14学部体制となりました。グローバル社会で活躍できる人材を「留学型」と「国内型」で育成する同志社大学の人材育成の取り組みは、12年度の文部科学省のグローバル人材育成推進事業「グローバル30 Plus」に採択されました。建学の精神を継承するグローバル・リーダーを育てる「グローバル・リソース・マネージメント」(GRM)も、12年度の文部科学省「博士課程教育リーディングプログラム」に採択されています。 同志社女子大学では、17年度までの大規模な今出川キャンパスの整備計画が動き始めました。同志社女子中学校・高等学校でも、16年度までのキャンパス整備計画が具体化します。同志社国際中学校・高等学校では、同志社国際学院初等部の卒業生を15年度から受け入れるために、教育環境を向上させるハード面の整備が進められています。ハード面で与えられるこれらの充実した環境を活かしつつ、ソフト面で「良心的に行動する人物の育成」という建学の精神の涵養にさらに努めてまいります。こうした重要な事業を確実に実行に移すために、収入構造の多様化などに取り組み、財政基盤のより一層の安定化に努めてまいります。 (神学館 礼拝堂にて)財政基盤をさらに安定させて、「建学の精神」の涵養を推し進めますMessage fromChairperson水みず谷たに 誠まこと理事長からのメッセージ

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