学校法人 同志社 事業報告書 2012
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学校法人 同志社 事業報告書201227特集 同志社大学の今出川校地に2012年10月、新しい校舎が2棟完成しました。今出川キャンパスの「良心館」と、烏丸キャンパスの「志高館」です。教学体制を再編する「今出川校地整備事業」の一環として建設したものです。同志社大学には、「良心之全身ニ充満シタル丈夫ノ起リ来ラン事ヲ」という新島襄の言葉を刻んだ「良心碑」が建っており、同志社大学はこの言葉に象徴される「良心教育」を、建学の精神としています。今出川キャンパスの新棟は、大学教育の新たなスタートを象徴するものです。そこで、新棟の名前を良心館としました。新しい学びに対応する良心館 良心館は、教室や研究室、学生の自習室、ラーニング・コモンズなどを備えており、地下2階・地上5階(延床面積約4万m2)の規模を誇ります。最大の特長は、日本の大学で最大級のラーニング・コモンズ(延床面積約2,550m2)を整備したことです。 大学における「学び」は、整理された知識を一方的に吸収する形から、自ら問題を発見して解決する形へと大きく変わっています。ラーニング・コモンズは、こうした新しい学びの形を追究する施設です。建物中央部の2階と3階に、学生同士が交流して相互に啓発する空間(クリエイティブ・コモンズ)と、アカデミックスキルを育成する空間(リサーチ・コモンズ)を設けました。 クリエイティブ・コモンズには、大がかりなセミナーやイベントが開催できるスペース、ポスターセッションやワークショップなどが開催できるエリア、グループ学習や懇談ができるコーナーなどを配置しました。リサーチ・コモンズでは、学習支援スタッフから、情報探索の方法やプレゼンテーションの技法などのスタディスキルの指導を受けることができるエリア、プロジェクト活動などで活用できる学習空間を作りました。志高館は「国際主義」の象徴 同志社の校名は、「志を同じくする者が集まって創る結社」に由来します。「同志社の門をくぐったすべての学生に、志を高めてもらいたい」という願いを込めて、新島襄が「同志社大学設立ヲ要スル主意」の中で使った言葉「人生ノ志操ヲ高尚ニシ」を用いて、烏丸キャンパスの新棟を「志高館」と名付けました。 その志高館は教室や研究室、学生の自習室、ラーニング・スタジオなどを備えており、地下1階・地上3階(延床面積約1万6,800m2)の規模になります。志高館が立つ烏丸キャンパスは、大学院の総合政策科学研究科やグローバル・スタディーズ研究科のほか、国際教育インスティテュート(英語による授業の履修だけで学士の学位が取得できるコース)の拠点となっています。2013年4月に開設された「グローバル地域文化学部」も入っています。烏丸キャンパスに新設された志高館は、同志社大学の「国際主義」を象徴する校舎といえます。ハードとソフトの連携を推進 良心館と志高館の完成によって、同志社大学の文系8学部・10研究科が13年4月に、今出川校地に集約されました。その結果、学年進行とともに学習する校地が京田辺から今出川に変わる「2校地体制」が終わり、すべての学年が1つの校地で学ぶ「1校地体制」が完成しました。京田辺校地は「Creative Hill」という名にふさわしい、理工系・文理融合学部など(6学部・6研究科)が集積するキャンパスになりました。今後は実験・実習、フィールドワークを重視した複合的教育や、身体・生命、先端技術、情報に関する国際的な研究を、より一層推進します。それに合わせて13年度から、京田辺校地の整備事業を本格化させ ます。 教学体制の再構築は、ハードの整備にソフトの充実が組み合わされて初めて完結します。そのため同志社大学は今後も、ハードとソフトの両面で新たな学びの形を創造する取り組みを積極的に進めていきます。特集1教学体制の再編新しい学びの形を追究する新校舎が今出川校地に完成今出川キャンパスの良心館烏丸キャンパスの志高館日本の大学で最大級のラーニング・コモンズ

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