学校法人 同志社 事業報告書 2010
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6—2010年度、同志社大学は創立135周年という節目の年を迎えました。大学が持続的に発展するために、今後どのようなビジョンを掲げて改革を推し進めるのでしょうか。八田 1875年の開学時、創立者・新島襄は、自治自立の精神に富み、自由を尊び、良心を手腕に運用する力強い人物の輩出を心から願いました。その「志」は、学生および教職員に今日に至るまで連綿と受け継がれています。そして創立135周年を経た現在、より独創的かつ特色ある私学であり続けるために、時代のニーズに即応した様々な改革を推し進めています。既に改革の一部は、文部科学省の「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」に採択されるなど、社会から高い評価を得ています。 09年6月には、国の「留学生30万人計画」に基づいて文部科学省が打ち立てた、国際化拠点整備事業(グローバル30)に採択されました。これまでも本学は、留学生別科の開設、一神教学際研究センターおよび技術・企業・国際競争力研究センターによる研究教育の国際展開など、国際拠点形成のための基盤づくりを進めてきました。教育理念の1つにも「国際主義」を掲げており、今後もこの理念の現代的実質化に向けて、国際化拠点整備に重点的に取り組んでいきます。既に英語による授業のみで修了できる研究科として09年9月、ビジネス研究科に「グローバルMBAコース」を開設したほか、10年4月には「グローバル・スタディーズ研究科」を、同年9月には「国際科学技術コース」を設置しています。—11年4月、京田辺キャンパスにグローバル・コミュニケーション学部が新設されました。八田 同志社大学の「国際主義」を進化させるとともに、現代のグローバル社会にふさわしい学びの場として新設したのが、本学13番目の学部となるグローバル・コミュニケーション学部です。「英語コース」「中国語コース」、留学生対象の「日本語コース」で構成される同学部のミッション(使命)は、国際的なビジネスの現場をはじめとする様々な場面で、卓越したコミュニケーション能力を発揮できる人物を育成することにあります。そのため、本学伝統のリベラルアーツ教育に加えて、語学検定の数値到達目標を定めて実践力を強化していきます。—中村先生はこの4月、グローバル・コミュニケーション学部長に就任されました。学部ではどのような教育を実施していかれるのでしょうか。中村 特徴は大きく3つあります。1つは、「実践的な学びを通してコミュニケーション能力を強化する」ことです。外国語の「話す、聞く、書く、読む」の能力を確実に強化するため、少人数クラスを編成し、学生一人ひとりをき135周年を経てさらなる発展を国際主義を推し進める改革が進行中—良心を手腕に国際社会に貢献する人物を養成2010同志社大学長、学部長対談同志社大学八はっ田た英えい二じ学長同志社大学中なか村むら久ひさ男おグローバル・コミュニケーション学部長

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