学校法人 同志社 事業報告書 2010
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学校法人 同志社 事業報告書20105──学校法人同志社は、創立135周年を迎えた2010年度に様々な記念事業を展開されました。 創立135周年という節目の年に、改めて新島襄の志と今日までの歴史に思いをいたし、事業、行事、募金を3本柱に、同志社の研究教育を継承・発展させていくことを企図して実施しました。 まず事業ですが、岩倉校地に新校舎を建築し、施設・設備の整備を行って、長年の懸案であった同志社中学校・高等学校の統合事業が完了しました。これにより小中高の一貫教育が可能になり、同時に大学が中学校跡地の今出川キャンパスと新たに購入した烏丸キャンパスで、文系学部を中心とした教育研究環境の再整備に着手できるようになり、新校舎の建設を進めています。 また、創立60周年の同志社香里中学校・高等学校でも、特別教室棟の建設や耐震改修工事を行い、教育環境の改善に努めています。 さらに木津川市から無償譲渡を受けた学校用地には、京都大学教授の高松伸先生の設計による、同志社の煉瓦建ての建物とは異なる斬新なイメージの校舎が誕生し、大学附属の同志社国際学院初等部が11年4月に開校しました。既に1~3年生のバイリンガル教育が行われており、同年9月には併設の国際部も開校し、同志社の国際主義教育が進展します。 行事としては、新島襄「永眠の地」大磯と「脱国の地」函館、「生誕の地」東京で、「新島講座」を開催しました。いずれの会場でも多くの卒業生や一般の方々を迎え、新島襄の志と建学の精神、同志社の歴史と現状、将来構想などをお伝えする良い機会となりました。 募金に関しては、企業や卒業生、個人の篤志家の方々から、法人ならびに各学校に対して多額のご寄付をいただきました。厚く御礼申し上げます。 また今回は、新島襄が1874年10月、帰国する直前、米国のヴァーモント州ラットランドのグレイス教会で日本にキリスト教学校を設立したいという志を語ったとき、一人の老農夫が捧げた「二ドル」の精神にちなんで、小口のご寄付をできるだけ多くの方々にしていただけるように、インターネットを活用した募金も始めました。──学校法人同志社は、格付投資情報センター(R&I)から7年連続で「AAプラス、方向性は安定的」という格付け維持の決定を受けました。 学校法人同志社は現在、大きな建設事業を行っていますが、外部からの借入金を前提とせずに、すべて自己資金で賄えています。少子化による学校間競争が激しくなっていますが、幸い同志社の各学校は入学者の定員割れを生じることもなく、財務状況は健全かつ安定的に推移していますので、今後の諸計画も順調に実施していくことができると確信しています。──11年3月11日、東日本大震災が発生しました。震災の影響はいかがでしょうか。 大地震の翌日、緊急対策本部を立ち上げ、在校生や教職員などの安否確認や被災状況の把握に努めるとともに、教職員が被災者救援活動などに参加する場合の特別措置として、理事長決裁の特別休暇制度を発動しました。 現在、各学校が募金、学費免除、学生生徒の受入れ、ボランティアなど様々な救援活動を行っておりますが、今後の影響を見極め、予想される大地震への対策も練りながら、リスク管理に努めてまいります。新島襄の志を継承し新たな研究教育事業の展開へMessage fromChairperson野の本もと 真しん也や理事長からのメッセージ

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