学校法人 同志社 事業報告書 2010
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4──2010年、学校法人同志社は創立135周年という節目の年でした。今後、200年の大計、教育事業の完成に向けて、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。 私立学校を取り巻く環境は、ますます競争が激化し、厳しくなってきています。それに打ち勝つには、私学としての独自性やアイデンティティを前面に押し出した教学の理念と、その実践が不可欠です。幸いにして同志社にはキリスト教主義、自由主義、国際主義を基礎とした良心教育の伝統があり、幾多の困難をこの教学の理念によって克服してまいりました。今後、さらなる飛躍を遂げるためには、良心教育の中身を現代的に問い直し、その実現に向けて、より一層の努力をする必要があります。同志社の歴史と伝統を振り返りながら、学園の現状を点検し、この良心教育を同志社ブランドとして社会に一層アピールして大きく前進することが重要であると考えております。──10年度は、重要課題であった中高統合事業が完了しました。そして引き続き、11年には同志社国際学院初等部・国際部が開設されます。 重要課題の1つでありました中高統合事業も完了し、「同志社中学校・高等学校」としての新たな歩みを始めております。岩倉の地に小学校、中学校、高等学校がそろい、同志社の一貫教育体制がより本格化し、全国に誇ることのできる初等・中等教育の新しい可能性が誕生するものと期待しています。さらに、一貫教育体制を強化し、国際主義の一層の充実を図るため、本年4月に、文部科学省から教育課程特例校の認可を受けて「日英バイリンガル教育」を行う小学校である国際学院初等部を開設しました。さらに9月には、世界中から集まる子どもたちが国際標準化されたカリキュラムで学ぶインターナショナルスクールである国際学院国際部を開設します。 中高統合、ならびに国際学院初等部・国際部の開設による一貫教育体制のさらなる充実は、同志社の精神を継承し、社会の核となる人物を育成するために重要な意味を持つとともに、キリスト教主義に基づき、自治自立の人格を確立し、国際感覚豊かな人物を育成する同志社の教育理念を一層揺るぎないものとするはずです。──大学が文部科学省平成21年度国際化拠点整備事業(グローバル30)に採択されており、また、グローバル・コミュニケーション学部が開設します。魅力ある21世紀型の国際主義教育の実現についてお聞かせください。 大学は、グローバル30の採択に伴い、英語のみで学位が取得できるコースや留学生のための日本語コースを持った学部・大学院の開設などを推進しています。また、受入れ留学生を、13 年までに2,200名、20年までには3,500名に、派遣学生を、13年までに750名、20年までには1,055名とする到達目標数を掲げ、支援体制の整備充実を図りながら、積極的に国際化を推進しています。グローバル30採択に伴う様々な取り組み、グローバル・コミュニケーション学部の開設などにより、同志社建学の理念の柱の1つであります国際主義が新たなステージへと向かい、国際主義教育のさらなる現代的実質化が図られるものと大いに期待するとともに、建学の理念の具現化により、良心を持って国際社会の平和と人類の福祉に貢献する「国際主義」を実践していきたいと考えているところでございます。良心教育を現代的に問い直し同志社ブランドの確立をMessage fromChancellor大おお谷や 實みのる総長からのメッセージ

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