学校法人 同志社 事業報告書 2010
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学校法人 同志社 事業報告書201027特集2特集2グローバル・スタディーズ研究科開設新島襄の志を高度な国際連携で推進実践と思考の融合型大学院 2010年4月に誕生したグローバル・スタディーズ研究科では、新しい取り組みを次々と実現しています。10年6月には、アフガニスタン・イスラム共和国のハーミド・カルザイ大統領が訪問され、当研究科の学生と対話集会を開催しました。大変内容の濃い集会でした。すべての1年生が、アフガニスタンが直面する課題について集中的に学び、英語での討論に臨みました。いずれもアフガニスタンでの状況を踏まえた的確な質問で、グローバルな対話をするのに十分なレベルでした。この対話集会については、その後、アフガニスタン各紙も報じており、大統領からは、同志社大学の水準の高さに感銘を受けたとのメッセージをいただきました。 夏からは、フィールドワークやインターンシップを開始し、国立フィリピン大学ロスバニョス校との連携協定を基に、フィリピンの行政機関などに4名の前期課程1年生が参加しました。また、総合商社の丸紅とトルコのサバンチ大学とのインターンシップの一部にも参加しています。12月には、外務省による「トルコにおける日本年」事業の一環として、京都西陣の伝統工芸をイスタンブールで紹介する催しに参加し、京都の伝統産業を新興国市場につないでいくためのオンサイト型インターンシップも実施しました。これらのインターンシップやフィールドワークでは、研究科が経費の支援をしています。研究科のグローバル展開 同志社大学は国際化拠点整備事業(グローバル30)に採択されたことに伴い、トルコのイスタンブールに現地事務所を開設します。それと併せてトルコの中東工科大学、サバンチ大学、ファーティヒ大学と学術・学生交流協定を締結しました。これらの実績を基に、京都市はイスタンブール市との間にパートナーシティ協定を締結する準備を進めており、京都市長のイスタンブール訪問が予定されています。 学生交換と学術協力を含む国際交流協定は、多くの教員の提案を受けて着々と世界に広がりつつあります。デンマークのオールボー大学、フィンランドのタンペレ大学平和研究所とは協定調印が行われ、フランスの高等社会科学研究院(EHESS)、タイのチュラロンコン大学グローバル・ネットワーク・プログラムとも現在協定調印に向けて準備中です。今後、セメスター単位のパッケージ・プログラムによる学生派遣や留学生受入れ、平和構築や紛争抑止などについて、各大学との間に研究プロジェクトを実施していきます。もう1つの成果は、JICA(国際協力機構)のJDS(Japanese Grant Aid for Human Resource Development Scholarship)に採択されたことを受けて、キルギス共和国からの留学生受入れを開始することです。現在、新たに大きなプロジェクトを計画中で、今後も同志社大学の大学院レベルでの国際化戦略に積極的に参加していきます。同時に、JICAとの協力の下に、アフガニスタンからの留学生受入れを計画中です。社会との接点を強化する大学院 研究科では、連続セミナー『グローバル・ジャスティス』を始めました。今日、「正義」の名の下に、どのようなことが語られているのかを、専門も方法も異なる様々なゲスト・スピーカーを招いて、ご自身の考える正義について自由に語ってもらい、学生と意見交換をしようという企画で、既に8回を数えました。現代アジア研究では、「中国とどう向き合うか」という連続セミナーが開催されます。視点の異なる論客を招き、避けては通れない隣人との共生をいかにして図っていくのか考えます。これらは、正規の授業以外に行われていますが、3つの研究クラスターの壁を越えた、知的交流の場として位置づけています。同志社ならではの、そして京都から世界への発信を続けていきます。新島襄が国禁を犯してまで渡米した志を、全世界に向けて、グローバルな課題と取り組むことで新たにしていきたいと考えています。 次の課題は就職活動支援です。研究科長が率先して学生の希望を聞き、教員がこれまでに培った人脈をフルに活用して、学生たちの将来の自己実現をサポートします。国際機関やマスコミ、シンクタンクなどでのインターンシップや、直接、第一線で活躍する企業人や実務専門家と進路相談をする場を設けます。博士後期課程に進学する学生に対しては、指導教員だけではなく、研究科の教員全員がアドバイスをできる体制を構築していきます。博士号取得までの研究支援の体制も整備し、国内・海外での学会発表での経費支援や、積極的に外国語で成果を発信するための外国語校閲支援も行うことにしました。一人ひとりの学生が、それぞれの夢を実現できるように、研究科全体が全力を挙げて取り組んでいきます。

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