学校法人 同志社 事業報告書 2010
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26特集1 同志社は、2010年11月29日、創立135周年を迎えるにあたり、建学の精神であるキリスト教主義、自由主義および国際主義を基礎とした良心教育を改めて確認するとともに、この建学の精神を今後も継承させていくため、多彩な記念事業および記念行事を計画しました。 記念事業・行事を展開していくにあたり、創立135周年記念のロゴマークを公募、選定しました。選定作品のコンセプトは、カレッジソング“One Purpose”の締めくくりの歌詞にある“For God, for Doshisha and Brotherhood.”であり、伝統ある学校で学べることへの感謝の意が込められています。新島の志に思いを馳せる記念講演 創立者永眠の日の10年1月23日、新島の終焉の地である神奈川県大磯町で「大磯新島講座」─終焉の地において─を開催しました。記念行事の最初となった講演に参加者が耳を傾けました。 6月13日には、新島が脱国した地である北海道函館市で「函館新島講座」─脱国の地において─を開催しました。講演に続き、北海道函館水産高等学校の生徒による新島の脱国シーンの再現もありました。翌14日、創立135周年記念事業の一環として法人主催での最初の「新島襄海外渡航の地碑」碑前祭を開催し、146年前にこの地から脱国を図った創立者の熱い志と激動の人生に思いを馳せました。 創立者生誕の日の11年2月12日、新島の生誕の地である東京・神田一ツ橋の学士会館で「東京新島講座」─生誕の地において─を開催しました。同志社創立の礎となったこの地で、多数の来場者とともに新島の志を胸に刻みました。135年の歴史と伝統を社会に発信 「新島襄と同志社」展を5月26日〜31日に大丸京都店で開催しました。新島襄の生涯と同志社の歴史を、遺品、日記などの資料と写真パネルで展示。新島の抱いた志を皆さまに届ける機会となりました。特別展示として、メキシコオリンピックに出艇した「Wild Rover Ⅳ世号」、「今出川キャンパスのジオラマ」、洋式帆船「快風丸」の復元模型などを公開しました。 「維新の志〜精神的な近代化に捧げた新島襄の志〜」展示企画展を9月18日〜10月21日に東京・六本木アカデミーヒルズにて開催しました。新島の筆による書簡に加え、勝海舟、板垣退助、伊藤博文などによる書簡など、新島の意外な交流関係やその志の高さに触れる貴重な資料を展示し、好評を得ました。 リユニオン/ホームカミングデーの11月7日には特別展を開催。創立135周年を記念して制作した展示品のほか、同志社で最初に礼拝堂に置かれた聖書台、新島が脱国した際に乗船したべルリン号の船長セイヴォリー家から寄贈された聖書なども公開しました。当日は、新島襄の生涯と同志社の歴史に理解を深めていただく機会となりました。 さらに、能『庭上梅』─新島襄を讃えて─を11月13日に名古屋能楽堂で上演しました。新島の壮大で崇高な理想や夢を鮮明に描写するこの能は、観る人々の大きな感動を呼びました。写真、論文、切手、書籍と多彩な展開 創立135周年記念礼拝を同志社礼拝堂で11月28日に執り行いました。翌29日の同志社創立記念日には、若王子山頂で早天祈祷会を執り行い、その後、神学館礼拝堂にて創立135周年記念式を挙行、創立135周年記念「フォトコンテスト」と「懸賞論文」の入選者の表彰を行いました。 記念日にあわせ135周年記念「寄付金付切手シート」を発行しました。新島が帰国する直前、米国ラットランドのグレイス教会で、日本にキリスト教の学校を起こしたいと訴えた際、大口の献金をしてくださる方々の後に、一人の農夫が歩み出て、帰りの汽車賃2ドルを日本の未来のため手渡しました。この記念切手には、同志社への2ドルの寄付が含まれています。 記念出版としては、『新島襄教育宗教論集』を刊行しました。精神的な近代化を成し遂げようとした新島の教育と宗教思想を理解するうえで不可欠な資料を収録しています。 勝海舟の問に「大学の完成には200年」と答えた新島の志。遠い未来に思いを馳せた新島の胸中には「良心を手腕に運用する人物を育成し、社会全体を豊かにしたい」という壮大な願いがありました。同志社は創立135年を迎え、今後、200年の大計に向け、新島の志を継承し、限りない前進と躍進を続けるよう努めてまいります。特集1同志社創立135周年記念事業報告新島襄の志を受け継ぐ事業と行事新島が函館へ渡った際に乗船した「快風丸」最初の「新島襄海外渡航の地碑」碑前祭

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