学校法人 同志社 事業報告書 2009
9/40

学校法人 同志社 事業報告書2009 2010年11月29日に創立135周年を迎える同志社では、時代のニーズをとらえた多様な改革が進行しています。同志社中学校、同志社高等学校中高統合事業第Ⅱ期工事完了 2010年4月、同志社中学校と同志社高等学校が統合しました。もともと両校は1つの学校でしたが、戦後の学制改革に伴い、それぞれが独立し1949年に高等学校が岩倉校地へ移転しました。以来、両校は同志社の良心教育の理念で結ばれながらも、今出川と岩倉で教育活動を担ってきました。 中高統合事業第Ⅱ期工事は中学校教室棟、自然科学棟、創作芸術棟、北体育館、チャペルが竣工し、10年2月に完了しました。同年9月には、同志社中学校が岩倉校地に移転して授業を開始します。この統合をもって、両校の一貫教育はより強力に推進されるうえ、教育効果が飛躍的に高まります。また、充実した環境の下、小学校、中学校、高等学校が岩倉校地にそろい、約2,500名の児童・生徒が学ぶ、同志社初等中等教育の一大拠点が誕生し、新たな歴史が始まります。同志社大学国際連携の推進、キャンパス再編 2009年7月、文部科学省の「国際化拠点整備事業(グローバル30)」に採択された同志社大学は、創立者新島襄が掲げた建学の精神の1つである「国際主義」をさらに発展させるべく、新しい教育組織を設置するなど、キャンパスの国際化を推し進めています。 09年9月には、すべての講義を英語で実施するコースとして、ビジネス研究科にグローバルMBAコースを設置しました。また、10年4月には既存のアメリカ研究科が蓄積してきた教育・研究を継承発展させたグローバル・スタディーズ研究科を開設しています。同研究科は、アメリカ研究、現代アジア研究、グローバル社会研究の3つのクラスターで構成され、アメリカ研究とグローバル社会研究のクラスターでは英語による授業の履修のみで学位が取得できます。地域研究にとどまらず、人類共通の諸問題や、国境を越えて追求すべき現代の諸課題を多角的な視点から理論的かつ実践的に解明していきます。 11年4月には、国際社会のビジネス、文化交流や教育などの場で活躍する人物を育成するため、グローバル・コミュニケーション学部の開設を予定。英語コース(定員80名)、中国語コース(同40名)および日本語コース(同30名、外国人留学生対象)を設け、英語、中国語の両コースでは、それぞれの言語圏での1年間の海外留学を必修としています。また13年4月には、アジア、米国、欧州地域などを対象に、学際的かつ、総合的で国際的な地域理解能力を備えた人物を育成する新しい学部の設置も計画しています。 これら国際化に関連する改革に加え、同志社大学では、今出川・京田辺キャンパスそれぞれの特色を明確化する取り組みが進行しています。13年度から、文学部、法学部、経済学部、商学部の1・2年次生の勉学校地が今出川校地に移転。これにより今出川校地は、リベラルアーツ型教養教育、ゼミナールを中心とした専門教育を展開する文系学部の教育拠点になります。一方、理工学部と文化情報学部に加えて生命医科学部、スポーツ健康科学部、心理学部が設置されている京田辺校地は、「身体・生命、先端技術、情報」に関する高度な複合的教育・研究拠点になります。両キャンパスでの新たな展開により、様々な教育効果が期待されています。同志社女子大学キャンパス整備事業完了 2009年4月、学芸学部英語英文学科と日本語日本文学科を京田辺キャンパスから移転して、今出川キャンパスに表象文化学部を開設しました。併せて、京田辺キャンパスのリニューアルも進行しています。09年9月までには、情報処理教室、演習室などとして活用されてきた知徳館を改修。さらに、草苑館を解体・撤去して、中庭の整備事業を進めてきました。これら、京田辺キャンパス・グランドデザイン構想に基づく整備事業は、10年3月、シンボルツリーの植樹をもっ中長期計画中高統合事業、国際連携の推進、キャンパス再編、国際学院開設敷地場所:京都府木津川市木津川台7-31-1敷地面積:33,648m2建物群延べ床面積:総合計 約9,820m2主な建物:教室棟(地上4階) 図書館棟(地上2階) 礼拝堂(地下1階、地上2階) TIE棟(地上2階) 体育館棟(地上2階)同志社国際学院て完了。一帯は緑ゆたかな憩いの空間に生まれ変わりました。ハード・ソフトの改善により、学習環境が向上しています。同志社国際学院小学校、インターナショナルスクールを開設 学校法人同志社は同志社大学の附属校として、2011年、同志社国際学院を京都府木津川市に設置する予定です。同学院は、帰国児童や地域の児童、外国人児童・生徒を対象としており、11年4月に初等部(Doshisha International Academy Elementary School)が、9月に国際部(Doshisha International School, Kyoto)が開校します。 同志社国際学院初等部は6年制の小学校です。入学定員は1学年2学級60名(収容定員360名)で、帰国児童と国内の一般児童を対象に、日英バイリンガル教育を基本とする国際的な教育を展開していきます。一方、同志社国際学院国際部は、小中高一貫の12年制のインターナショナルスクールです。入学定員は1学年1学級25名(収容定員300名)で、すべての授業が英語で実施されます。 初等部、国際部が同じ校舎に併設される同志社国際学院では、融合的かつ創発的な世界を実現すべく、「TWO SCHOOLS ONE WORLD」をコンセプトに据えて、施設の建築が進んでいます。地上4階で設計される教室棟は、4階が英語フロア(国際部)、3階が日本語フロア(初等部)、2階が国際部と初等部が共有する英語と日本語のフロアになる予定です。 同志社国際学院では、初等部と国際部が併設される利点を最大限に活かすとともに、同志社の教育理念に基づき、よりよき世界を実現するために活動する人物を育成していきます。グレイス・チャペルのある宿志館同志社中学校・高等学校

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です