学校法人 同志社 事業報告書 2009
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88きた京田辺キャンパスの中庭整備事業が10年3月に完了しました。緑豊かな空間が屋外に整備され、学生と教職員の交流の場、憩いの空間として活用されます。併せて、ゼミスペースや多目的に利用できる発表空間も整備しました。学生と教職員の積極的な屋外での活動が促進され、教育効果の向上が期待されます。—「国際主義」を教育理念の1つに掲げる同志社大学、同志社女子大学では、この理念に基づいた教育改革が展開されています。八田 同志社大学ではこれまでも、国際主義を内実化するため、様々な取り組みを実施してきました。09年7月には、文部科学省の「国際化拠点整備事業(グローバル30)」に採択されました。これに伴い本学の国際化が加速度的に推進されるものと期待しています(詳細はp27を参照)。 さらに、11年には、大学の附属校として同志社国際学院(初等部・国際部)を京都府木津川市に設置するほか、グローバル・コミュニケーション学部を京田辺キャンパスに新設する予定です。加賀 同志社女子大学は07年4月、学芸学部に1年間の留学を義務づけた国際教養学科を開設しました。09年には同学科の第1期生全員が1年間の留学を終え無事帰国しています。成果は、帰国後のTOEICのスコアに顕著に表れており、教育効果の高さが証明されました。この取り組みは、08年度の文部科学省の教育GPに「1年間の留学を機軸にした高度総合英語教育」として採択されています。—教育改革に加えて研究に対する様々な取り組みも実施されています。八田 人物の育成に加え、研究を推進し、成果を社会に還元することが大学のミッション(使命)の1つに挙げられます。同志社大学では、先端的・学際的研究を推進することを目的に、研究開発推進機構および高等研究教育機構を設置し、研究体制の整備と強化を図ってきました。09年度には、脳神経系の生後発達加齢変化に関する研究を実施する「発達加齢脳研究センター」、様々な地域や民族に帰属する多様な文化遺産について、その記録・保存のための情報化や修復、 計測技術開発を進める「文化遺産情報科学研究センター」など、4つの研究センターが新設されました。また、寄付教育研究プロジェクトとして、「メディカル・ファジィ・リサーチセンター」が新たに開設されました。 同志社大学では現在、5つの先端的研究拠点、23の研究センター、11の寄付教育研究プロジェクトが活発な研究活動を展開しています。加賀 同志社女子大学でも、産学連携に注力した事業を多面的に展開しています。組織の改革も進んでおり、例えば08年度には、学術研究と地域社会との交流を強化するための組織として発足した学術研究推進センターを、高度な教育を主目的とする教育開発推進センターと統合。より積極的に地域社会との交流、産官学連携活動を展開しています。既に成果も挙がりはじめており、09年度の外部資金導入は29件、科学研究費補助金は26件で、学外機関との連携が活発化してきています。—世間では大学の社会的責任(USR:University Social Responsibility)に対する関心が高まっています。八田 先に述べた通り、本学は12学部15研究科を擁する一大総合大学となりました。学生数は2万6,000名、教職員数は2,300名を超えます。大学がUSRを推進していくためには、「情報公開」「法令順守」「説明責任」を全構成員が強く意識する必要があります。 同志社大学は、10年11月29日に創立135周年を迎えます。新島は、親交のあった勝海舟に「大学の完成には200年を要する」と語っています。大学とは、社会で生きるうえで必要な「知恵」を身に付ける場です。これからも「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」という揺るぎない教育理念に基づいた「良心教育」を継承し、未来を担う人物の育成に努めてまいります。加賀 同志社女子大学の教育理念は「キリスト教主義」「国際主義」「リベラル・アーツ」です。女子大学ブランドの確立や教養の高度化など、この理念に立脚した教育・研究改革を、今後とも進展させていきます。「 キャンパスの特色を打ち出すとともに、さらなる良心教育の徹底を図ります」「 大学での教育を礎に、世界で活躍する女性の育成を一層推進します」

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