学校法人 同志社 事業報告書 2009
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学校法人 同志社 事業報告書2009—創立135周年を迎え、記念事業を計画しています。 学校法人同志社は1875年11月29日、同志社英学校として新島襄により創立されました。建学の精神を改めて確認し、今後も継承していくために記念事業を計画、実行しつつあります。まず長年の夢であった同志社中学校・高等学校の統合移転事業が完了しました。岩倉キャンパスに建てられた新しいチャペルは、日本芸術院賞を受けられた香山壽夫先生の設計で、清らかさと親しみやすさを兼ね備えています。チャペルを含む建物には、「襄の宿志」「胸中一片の宿志」と新島が想いを込めていたキーワードを使い「宿志館」と名付け、中学校棟の「立志館」、高等学校棟の「桑志館」とともに、「志」のトライアングルを形成して、新島の志を継承する教育を展開する中心的な場となります。 同志社大学は、中学校の跡地で文系を中心とした教育・研究を推進するため、今出川キャンパス整備事業に着手します。また京田辺キャンパスの整備も視野に入れ、計画を練りつつあります。 同志社女子大学では、京田辺キャンパスの整備により、中央の庭園に色とりどりの花が咲きみだれ、イメージが一変しました。 寝屋川市にある同志社香里中学校・高等学校も創立60周年を迎えますので、校舎の建て替えと体育館の耐震化の建設事業を行います。また同志社女子中学校・高等学校や同志社国際中学校・高等学校でもキャンパス整備事業に取り組むべく検討を始めています。さらに木津川市に来年度設置する大学附属の同志社国際学院初等部・国際部の建設も、同志社小学校の設計をしていただいた京都大学の高松伸先生にお願いし、独創的なアイデアの溢れた校舎が姿を現しつつあります。—記念行事と記念募金事業も計画しています。 新島襄の志と建学の精神を多くの方々にも知っていただくため、京都では「新島襄と同志社」展を開催します。また名古屋では「庭上梅」の能公演を、さらに脱国の地函館や永眠の地大磯では記念碑前での式典や講演会を行うなど、様々な記念行事を開催します。 記念募金事業は、記念事業を行うために学内外にお願いしていますが、同志社が一番大切にしているのは「2ドル」の精神です。新島襄が米国での勉学を終え、日本に帰国する直前、ラットランドのグレイス教会で、日本にキリスト教主義の学校を設立したいと「一片の精神と感激の涙」をもって訴えたとき、大口の献金をしてくださる方々のあとに、一人の年老いた農夫が歩み出て、帰りの汽車賃2ドルを差し出しました。新島はこの2ドルこそが「同志社の中核」であるとして、この精神を大切にしていたからです。—09年5月、「AA+方向性は安定的」という格付け維持の決定を受けました。 学校法人としては現在、早稲田と同志社がこの高水準を維持し続けていますが、これにより同志社の経営と財政状況をステークホルダー(利害関係者)の皆さまに端的にご理解いただけると思います。それと同時に、同志社は同じ志を持つ者の結社であり、私学なのですから、教職員も教育共同体の一員として、教学だけでなく、経営についても、誰もが共同経営者であるという自覚を持つ必要があり、この格付け取得は、そのためにも役立つようにと願ってのことです。創立135周年を契機としてより快適なキャンパス環境を創出Message fromChairperson野の本もと 真しん也や理事長からのメッセージ

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