学校法人 同志社 事業報告書 2009
10/40

10 大学では、豊かな人間性と課題探求能力を育む教育を実施することが課題になっています。同志社大学と同志社女子大学は、教養教育とキャリア教育の融合も視野に入れながら、幅広い学びの質保証を推進してきました。その先進性・革新性が評価され、それぞれの取り組みが2009年度文部科学省の大学教育改革支援プログラムに採択されました。プロジェクト・リテラシー習得を支援 同志社大学が、2009年度の文部科学省「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム」に申請した取り組み「プロジェクト・リテラシーと新しい教養教育〜課題探求能力を育成するPBL教育の方法論的整備〜」が採択されました。 近年、プロジェクトをベースに学生が自ら課題を発見して解決方法を考える「PBL(Project-Based Learning)」が注目されています。同志社大学では06年度より、PBLを全学共通教養教育科目のプロジェクト科目に導入し、実践してきました(「公募制のプロジェクト科目による地域活性化—往還型地域連携活動のモデルづくりを目指して」—2006年度 現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)採択取組—)が、これまでのPBLの実践と研究の成果から、教室外学習時間の測定と多面的な評価を統合する成績評価基準の明確化が、喫緊の課題であると判断しました。そこで、09年11月1日に、本学にPBL推進支援センターを設置するとともに、センター内にPBL推進協議会を発足させ、事例報告を通じて、教育方法の研究・開発を推進しています。また、市民公開型教職員協同講習会やシンポジウムなども定期的に開催し、教職員、学生に加え、市民の方の参加も得ながら、高等教育のみならず、初等・中等教育機関等の幅広い教育機関とも連携したPBL推進ネットワークを構築し、情報の共有・発信を積極的に行うPBL拠点校を目指しています。さらに、取り組み名称のとおり、プロジェクト・リテラシーを備えた人物を育成するための教養教育の学習モデルを提示するとともに、それをプロジェクト科目の実践にもフィードバックさせ、アンケートの実施やCNS(コミュニケーション・ネットワーキング・サービス)システムの充実整備によりデータ収集を行い、プロジェクト・リテラシーの習得度を測定するための評価指針と指標を策定し、成績評価基準の一層の厳格化・明確化を図ります。就職難の女子大学生を支援 同志社女子大学は「職業意識の育みと就職活動困難学生に対する支援システムの強化」が2009年度の文部科学省「大学教育・学生支援推進事業【テーマB】学生支援推進プログラム」に選定されました。08年末の景気後退から企業の就職内定取り消しが相次ぎ、社会問題になっています。特に女子大学生の就職は、経済環境の変動に影響を受けやすいことから事態は深刻です。 同志社女子大学では、キャリアサポートセンターを中心として、キャリア形成と就職活動支援に積極的に取り組んできました。初年次から「働くことの意義」「自立」に関する理解や意欲を高めるとともに、女子大学生に有益な資格取得を支援する講座や、就職に関するセミナーなどを設けています。4年間で自ら就きたい職業を決め、大学での学びを通じて学士力を身に付けるとともに、明確な職業意識や目標を形成することを重要視してきました。 さらに、就職活動困難に直面した学生に対して、キャリアサポートセンターを核に全学体制で支援にあたります。適切な企業への誘導とこころのケアをはじめとする懇切丁寧な支援システムを強化して、高い学士力の形成とともに就職支援体制を構築します。2009ハイライト社会の要請に応える取り組み教育・研究、産官学連携、自然環境対策、地域・社会への取り組みハイライト1教育同志社大学、同志社女子大学幅広い学びを保証する教育プログラム2009年度 文部科学省「大学及び大学院教育改革支援」プログラム採択取り組み同志社大学 プログラム名採択テーマ大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラムプロジェクト・リテラシーと新しい教養教育大学教育・学生支援推進事業【テーマB】学生支援推進プログラム個性を活かした障がい学生のキャリア支援と既卒者の再就職支援教育研究高度化のための支援体制整備事業国際的教育研究拠点形成の多面的・総合的支援体制整備大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム相互評価に基づく学士課程教育質保証システムの創出 —国公私立4大学IRネットワーク国際化拠点整備事業(グローバル30)同志社女子大学プログラム名採択テーマ大学教育・学生支援推進事業【テーマB】学生支援推進プログラム職業意識の育みと就職活動困難学生に対する支援システムの強化

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です