学校法人 同志社 事業報告書 2008
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8――建学の精神と教育理念を実践する様々な改革が進行しています。新島襄によって創立された本学は「キリスト教主義」「国際主義」「リベラル・アーツ」を教育理念とし、高い品性と豊かな教養、国際的視野を身に付けた女性を社会に輩出してきました。現代は、多種多様な難題が混在しています。いまこそ、課題について考え解決策を模索するうえで、女性特有の柔軟な視点が重要になると考えています。2000年以降、本学では、現代社会学部、情報メディア学科、現代こども学科、薬学部、国際教養学科と、次々と時代に即した学部・学科を開設し、リベラルな学びの場を広げています。2009年4月には、京田辺キャンパスに設置されている学芸学部英語英文学科と日本語日本文学科を今出川キャンパスに移転し、表象文化学部を開設しました。言語による表象に加えて、絵画や映画、演劇なども研究・教育の対象としてカリキュラムを展開します。学部・学科改革とともに、大学院改革も進行中です。08年4月には、文学研究科に情報文化専攻を、生活科学研究科に生活デザイン専攻を開設しました。情報文化専攻では、情報メディアの進展や多様化を文化的視点から追求し、現代のメディア社会の創造的発展に寄与する人物を養成します。また生活デザイン専攻では、衣・食・住のデザイン追求を核に生活全般をデザインする、くらしのスペシャリストを育成します。――国際主義を実践する取り組みも加速しています。07年4月、学芸学部に国際教養学科を設置しました。同学科の特徴は学生全員が1年間の海外留学を経験することです。08年の秋には、第1期生が本学の提携する英語圏の大学に留学しました。この取り組みは、08年度の文部科学省「質の高い大学教育推進プログラム」(教育GP)に『一年間の留学を基軸にした高度総合英語教育~問題を批判的に捉え、日英両言語で論理的コミュニケーション能力を育成する~』として採択されています。学生たちは、母国のことを認識したうえで外国を理解し、常に他国と母国の複数の視点を持って、論理的な考えを展開できるコミュニケーション能力を育むことを目指しています。――産学連携や高大連携など学外との連携も活発化しています。本学では、産学連携事業にも力点をおいています。08年度の企業などからの外部資金導入は23件、科学研究費採択数は2件と学外機関との連携は着実に根付いています。また、07年9月に締結したANA(全日本空輸)と連携協力に関する包括協定に基づき、既にキャリア支援講座などを開講しており、09年3月には「ANAエアライン・ホテル体験とホスピタリティスキルセミナー」を開催しました。これは3日間に及ぶセミナーで、空港の仕事や航空専門用語、マナーや立ち居振る舞いなどについて各種見学と実習を展開しました。また、08年度は、奈良市立一条高校外国語科、和歌山信愛女子短期大学附属高校、京都学園高校国際コース、大阪市立工芸高校映像デザイン科の4高校と教育連携協定を新たに締結したほか、大阪府守口市教育委員会との連携協力に関する協定を締結しました。07年度に包括協定を締結した奈良県立医科大学とは、シンポジウムや院内コンサートなど、各種連携に関する取り組みが進行中です。――同志社女子大学の今後の展開についてお聞かせください。新島襄の志を引き継ぎ未来へつなげていくためには、教職員一人ひとりが建学の精神、教育理念を意識・理解することが必要です。そのため本学では、2006年度よりブランディングに取り組んでいます。08年度はその一環として、携帯リーフレット(クレド)と名札を作成し、全教職員に配布しました。クレドには本学の精神やミッション(使命)とその解説、および新島襄の遺言が記されています。本学が目指す女子教育について、教職員全員が意識を共有し、社会に有意な女性を育成していこうという思いが込められています。同志社女子大学では、今後とも新島襄の精神と理念を幹に、教育・研究活動を進展させていきます。同志社女子大学長インタビュー進む大学・大学院改革いつの時代にも通用する女子教育を推進同志社女子大学NicholasニコラスJohnジョンTeeleティール学長

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