学校法人 同志社 事業報告書 2008
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学校法人同志社事業報告書20085――2010年に創立135周年を迎える同志社は今、同志社中学校と同志社高等学校の統合事業や今出川再開発事業など大きな事業が進んでいます。中学校の岩倉校地への移転と高等学校との統合は、学校法人同志社の長年にわたる懸案でしたが、昨年、約1年間の工期を経て、高等学校校舎と共用管理棟の建設を中心にした第Ⅰ期工事を無事に終え、現在は中学校校舎や創作芸術校舎、自然科学校舎、チャペル、体育館の建設を中心に、第Ⅱ期工事が進行しています。この中高統合事業の完成によって、2010年度には岩倉校地で小中高の一貫教育の教育環境が整います。今出川校地の中学校跡地は、京田辺校地で行われていた大学の文系学部1、2年次の授業や新しい国際地域連携関係の学部のための教育施設などを建設いたします。既に基本設計もでき上がり、数年後には重要文化財の建物と調和した新しい建物の並ぶ今出川校地で、国際色豊かな学園生活をエンジョイする学生の姿を見ることができるようになるでしょう。女子大学も、今出川校地の東端に「純正館」を建設しました。これは学芸学部英語英文学科と日本語日本文学科が「表象文化学部」として今出川キャンパスで新たな教育活動を展開するための施設です。このように、学校法人同志社は各学校の将来構想を実現し、教育環境を充実するために様々な事業計画を実施しています。――財政面ではいかがですか。以前は、京田辺校地への移転事業のための借り入れで非常に苦しい時期もありましたが、既に返済も終わり、各学校の収支状況も好転し、準備金も確保してきていますので、現在取り組んでいる事業は外部からの借り入れをせずに行えます。また、各学校の中長期計画実施のために必要な資金は、学校法人の内部で融資を行うシステムを構築していますので、今後も外部からの借り入れを起こすことなく、必要な事業を安定的に展開することができると思います。このような状況ですから、同志社は04年から毎年、格付投資情報センター(R&I)から「AA+(ダブル・エー・プラス)、方向性は安定的」という21段階の上から2番目のランクの理事長からのメッセージ�野本真也�の�もと�しん�や�高い格付けをいただいています。これは学外からの資金調達を目的としたものではなく、第三者機関による経営状況の客観的評価を得ることで、同志社に対する社会的信頼性を高めるためであり、同時に教職員一人ひとりが教学と経営を一体化して考え、教育研究活動の向上と財政基盤の強化に努めていくための目標になればという願いから行っています。――同志社の経営方針が建学の精神とも深くかかわっていると言われています。校祖新島襄は、真誠の自由を愛し、一国の良心となり、知識あり、品行あり、自ら立ち、自ら治める人びとを養成することが私学としての同志社の重要な使命であると考えていたのですから、同志社の教職員も一人ひとりが新島の精神にふさわしい経営と教育を心掛けなければなりません。これはとても重い課題ではありますが、134年の歴史のなかで培われてきた精神的伝統を継承し、将来を見据えながら、真の人間育成を目指して、教職員一同、心を一つにして、現在の厳しい状況を乗り切っていくことができればと願っています。同志社の将来構想実現のためにさらなる教育環境の整備を推進

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